宇治:コロナ禍になって、直接面談することの価値が上がったなと感じます。営業という仕事が、より高度な専門性の高いものになってきているのではないでしょうか。やはりコロナ前のように、「近くに来たので寄りました」とアポイントをとらずに会社訪問するなど、理由が明確ではないアポイントはほとんどなくなって気軽にお客様に会うのが難しくなった今、自分自身の愛嬌やキャラクターだけの営業は、ちょっと難しくなってきたのではないかなとも思います。
常見:昔は、世の中の会社員の格言で「IQより愛嬌」と言われていましたね(笑)。
客観的なデータが役に立つ
宇治:もちろんそれも大切なのですが、やはり客観的データが役に立っていますね。今、プレイングマネージャーとしてチームのマネジメントも行っているのですが、メンバーの相談を受けたりアドバイスや指示を出したりする中でも、感覚で抽象的なことを言ってもなかなか伝わらない。弊社では社員の行動量や取引の内容などもデータとして共有されているので、これらから洗い出したものに基づいて強み弱みを指摘するようにしました。
常見:やはり客観的なデータがないと納得感がないですよね。今、営業現場では業務上の指導とハラスメントの境は問題になるところですし、ハラスメント予防のためにも、具体的なファクトで伝える時代になっていますからね。
宇治:しっかりとした目標を掲げて、そこに対するプロセスの解像度を高めていって、どういう順序でお客様に提案していくかをきれいに「見える化」して伝える。そういう逆算のロジカルシンキングは、自身の営業にも活きています。
バンダイ 佐藤祐輔(以下、佐藤):僕は、世界全体に熱い気持ち、さらには熱い気持ちを持とうと思う機会が、減った気がします。商談にしても、上はスーツで下はパジャマみたいな恰好でリモートワークだと、やっぱりちょっと上の空だったりするシーンがあります。
リアルの対面なら100%全力で話をしていたのに、リモートだと流してあきらめてしまう。やりがいというより、そつのなさが求められて、人間の本質的な根幹的な部分が、閉ざされたことによって変わってきたのかな、と強く感じています。
常見:何とか接触の時間を増やすとか、新しいニーズの掘り出し方を学ぶとか、EC事業においては特に工夫が必要になってくるところですよね。
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