常見:ところで、新型コロナウイルス禍で、営業活動の何が変わりましたか? ここにいらっしゃる全員が新型コロナウイルスショック前の入社で、変化を肌で感じてきたのではないかと。
コロナですべてが変わったと言いますけれど、私の個人的な見立てでは、物事はコロナ前からとっくに変わり始めていたと思うのですよね。価値の生み出し方、オンライン化も含めた仕事の進め方など、変わり始めていた中で、コロナが決定打となったのではないかと。
内藤:お客様と必ずしも直接会うことができなくなり、商談の場がTeamsやZoomなどオンラインとなることが増えたなとは感じます。今も、時と場合によって使い分ける形ですね。
やはり対面の商談がいちばんだなと私も思っているのですが、1対1ではなく、こちらもマーケティングや広告戦略といった部署まで参加する、お客様も複数の部署の方が参加される、さらには中間の代理店さんが入る、など大人数で行うような商談については、時間も合わせやすくなりましたよね。コロナで生まれた良いもののひとつではないでしょうか。
本音を引き出すには顔を合わせて話したい
常見:会議の概念が変わりましたよね。会議について「聞いてるから」とか「途中で入る」というような発言も普通になりました。アポ調整をしたうえでの対面の会議を1週間後にするというようなスタイルから、15分単位のオンラインミーティングを日常的にする人もいますよね。オンラインで全国行脚して少しずつ商談に入る管理職もいるそうで。
三井物産 謝博美(以下、謝):もともと取り扱い方法などの制限が非常に難しい原料の、貯蔵タンクを増強する案件がありまして。一連のいちばん重要な交渉過程が、まさしくコロナ禍で、ステイホームの環境で行われていたのです。それまでは、実際に海外現地に出張して関係各所と面談できていたものが、一気に全部オンラインになって。面談の設定自体はすぐにできるのですが、やはり条件に関しての譲歩など、画面上で腹の中の本音を引き出すのはすごく難しかったですね。
オンラインってたしかに便利だし、いつでも面談できるし、ありがたいですが、本当の本音の部分を引き出すためには、やはり顔を合わせて話したいですし、ときには、くだけた会食の場などでこそ聞き出せるものだなと再認識しました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら