「開業170周年」で首都にSLが来る英国の本気度 名機「フライング・スコッツマン」が全国を巡回
今年の10月14日は、日本に鉄道が走り始めてから150周年の記念日だった。各地でのイベント開催や切符の発売のほか、電車に乗るとあちこちで「鉄道150周年を迎えられたのは皆さまのおかげです」といったアナウンスは聞かれたものの、蒸気機関車(SL)が首都圏の東海道本線を走るシーンもあった50年前の「鉄道100周年」と比べると、今ひとつ迫力に欠けたようにも感じたのが残念だった。
「記念すべき日にもうちょっと何かないものか……」と思っていた帰国中の筆者の元に、在住するイギリスから面白い情報が飛び込んできた。英国生まれの絵本・アニメ「きかんしゃトーマス」のキャラクターの1つ「ゴードン」の兄弟としても登場するSL「フライング・スコッツマン」号が、ロンドンのターミナルの1つであるキングスクロス駅に客車を牽引して入線したというのだ。当日は鉄道ファンはもとより、ごく普通の市民、そして現役の鉄道マンたちさえもが、時ならぬ珍客の登場に沸いたという。
日本初の鉄道開業と同じ日付
ではなぜ、いきなりキングスクロス駅が騒ぎの場になったのか。
実は同駅は、日本の鉄道開業日よりちょうど20年早い1848年の10月14日に開業。今年で開業170周年の節目を迎えた。そんな事情もあり、2023年でデビューから100年を迎える「フライング・スコッツマン」号が来賓として呼ばれることになったわけだ。
キングスクロス駅といえば、映画「ハリーポッター」で、主人公ハリーとその同級生たちがホグワーツ魔法学校に行くための列車に乗り込む駅として描かれている。ちなみに、柱に向かってカートをぶつけて「9と3/4番線」に入るシーンを体験するために、駅の一角にはそうした情景を誰でも体験できるアトラクションが再現されている。
しかし、キングスクロス駅に実際にSLが入ることは稀だ。今回はホームに入るためのチケットを販売したが、即完売となったという。
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