104歳で働く「沖縄のおばあ」に見る健康長寿の極意 沖縄の人が100歳まで生きる確率はアメリカ人の3倍

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人口動態学者は、長寿者が多いイタリア・サルデーニャ島を調べていたときに、この名称を考えついた。私たちはこの概念をさらに広げ、世界の長寿地域すべてを「ブルーゾーン」と呼ぶことにしたのだ。沖縄は、このリストのトップにランクされている。

“長寿界のセレブ”奥島ウシ・104歳を訪ねる

私が沖縄本島北部の大宜味にある奥島ウシの家に着いたのは、午後もだいぶ遅くなってからだった。

彼女の家は、典型的な沖縄の木造住宅だ。障子で仕切られた部屋がいくつかあって、畳敷き。私たちは靴を脱いで、家に上がった。ウシは女王であるかのように、静かに部屋の真ん中の椅子に腰掛けていた。

私たちが最初にウシに会ったころ、彼女はまだ無名だった。だがいまではセレブの仲間入りをして、長寿のダライ・ラマといった風情だ。水色のキモノを着た彼女は、私たちにもすわるよう手で合図した。そこで私たちは、幼稚園児のように、彼女の足元に足を組んですわった。

ウシは挨拶がわりに、筋肉もしっかりしているよ、ということを示すかのように、両手を頭の上まで持ち上げて叫んだ。

「元気、元気、元気」

“こりゃ、得がたいバイタリティーだな”と、私は感じ入った。たいていの人は、年を取ることを恐れる。しかしこの活発なおばあちゃんを見ると、加齢が楽しみであるかのように思えてくる。

私は雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』に掲載された彼女の写真を見せた。これが巻頭特集になって表紙も飾っているのだから、私としても鼻が高かった。だが彼女はチラリと目をやっただけで床に置き、私に飴を勧めた。

私はウシに今日で2度目となるインタビューを始め、彼女の畑のことや友人たち、前に会ってからの5年間にどれほど状況が変わったかを尋ねた。

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