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なぜAmazonは幹部でもエコノミーに乗るのか 世界最強企業が大切にする「質素倹約」哲学

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  • 佐藤 将之 エバーグローイングパートナーズ代表取締役/事業成長支援アドバイザー
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アマゾンでは特に予算を編成するときなど、もうFrugalityの嵐が吹きまくります。毎年必要な予算を計算して申請するのですが、申請側としてはすごく低い予算を持っていっても、「いやいや、まだ削れるでしょう」と言われる。つまりもっと頭を使え、もっと考えろということです。

「ギリギリまで自分たちができることを考え抜いた上で、この予算を持ってきているのならいいけれど、まだまだ削れる余地があるでしょう? 考えればできるから」と言われる。設備投資など高額の予算は特に、一発で通ることなど絶対にありません。

Make Impossible Possible

もちろんあまりにもキツキツの予算では、取引先もついてこられなくなってしまうので、彼らにも適正な利益を出させる構造にします。ですから現時点でできるテクノロジーの中でいちばんいいものを使い、かつ、なるべくコストを下げて、「このぐらいならできるかな」というものを積み上げて、予算を立てる。 

ところが私が初めて予算会議に参加させてもらったとき、申請した設備投資額に対して「この半分ね」と言われたのです。当たり前のように言われて、「えっ、もうこれ以上下げることなんて、無理なのに……」と愕然としました。

しかし、そこで殺し文句を言われるのです。元CEOのデイブ・クラークが言う殺し文句が、「Make Impossible Possible」(不可能を可能にしよう)でした。

「君たちならできるから。だって君たちは、そういう能力を評価されてこの会社で働いているんだろう? 君たちは優秀なんだからできるはずだ。いままで、あんなことも、こんなこともできたじゃないか。じゃあこれもできる。だから半分にしてくれ」

こう言われたら、半分をめざすしかない。でも半分にはとても届きません。頑張っても25%カットが精一杯。それを提出すると彼は、「ほら、できたじゃない」と言います。

「25%もカットできたじゃないか。俺が50%カットと言わなかったら、君たちはいくらカットした? ゼロだろう?」

それくらい頭を使いなさいということです。

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【倹約の象徴「Door Desk」】

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