日本に「残念すぎる観光地」量産される悲しい事情 「モノマネ施設」はバレる、埋もれる、飽きられる
白馬マウンテンハーバーは、突き詰めれば「リフトやゴンドラで山の上まで上がって、展望を楽しむ場所」です。この構想自体は、決して珍しいものではありません。
北海道にある雲海テラス、滋賀県の琵琶湖テラスもあります。近いところでは、山梨県の清里テラスや当社のグループ会社が展開している北志賀竜王のソラテラスもそうです。
岩岳山頂からの白馬三山の絶景が圧倒的な魅力を持つ「隠れた資産」だという点については強い確信がありましたが、こうした先行事例があるからこそ、しっかりとユニークさを押し出せないと、埋没してしまう危険性は否めません。
白馬マウンテンハーバーのユニークさは何か
社内での侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を経て出てきた最初の「ユニークさ」は、白馬三山に正対する眺めをストレートに表現することのできる、山を見せることに徹底的にこだわったデザインでした。
中でもいちばんのこだわりは、お客さんが、ある場所で「うわっ」と驚くような仕掛けです。
白馬マウンテンハーバーは、白馬岩岳のゴンドラ山頂駅から森の中を抜けて200メートルほど歩いたところにあります。そこに開けた白馬三山に正対する崖状の土地に、テラスとカフェ棟をつくりました。
このテラスに到着するまでは、森や建物がお客さんの視界を微妙に遮るように設計されています。テラスに入る際には橋を渡るのですが、これを渡っている間も両側に並ぶ建物が「額縁」のように視界を遮り、周辺の雰囲気がわからないようになっています。
そして、その「額縁」を抜けた瞬間、急に視野が開けます。白馬三山のみならず、鹿島槍ヶ岳や五竜岳、唐松岳、小蓮華山などの後立山連峰の眺めが、いっきに広がるようになっているのです。
@shiho_zekkei ここがカフェって信じられる?Can you believe this is a cafe? #Nagano #Japan #Hakuba #長野#白馬マウンテンハーバー #長野旅行 ♬ STAY - The Kid LAROI & Justin Bieber
実際、晴れた日には、そのポイントで必ずと言っていいほどお客さんは立ち止まり、「うわ~」という声を上げてくれます。私たちの独自性へのこだわり、眺望を生かすためのデザイン上のこだわりがうまくハマった瞬間です。
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