日本に「残念すぎる観光地」量産される悲しい事情 「モノマネ施設」はバレる、埋もれる、飽きられる

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これは結果論ですが、THE CITY BAKERYさんに出店していただいたおかげで、訴求ポイントがとてもわかりやすくなりました。「都会でも大人気のパンとコーヒー」×「オシャレな空間」×「絶景」と言われれば、白馬に来たこともないお客さんにも、その楽しさはなんとなく伝わります。

このわかりやすさのおかげで、実際に訪れてくれたお客さんの多くがSNS発信をしてくれるようになりました。私たちの知名度を大きく高めてくれたのです。

実際、開業後「#白馬マウンテンハーバー」「#hakubamountainharbor」をつけて投稿いただいたインスタグラムの投稿数は、すでに1万5000件を超えています。投稿された写真やコメントを見ても、食事や飲み物に言及してもらうケースがほとんどです。

単にモノマネをした展望施設をつくるのではなく、独自性にこだわったことが、このような成果につながっているのです。

脱「モノマネ」が日本には必要だ

今後、日本が本当の意味で「観光立国」を目指すのであれば、日本が抱える根深い「モノマネ」カルチャーから脱却することは不可欠だと思っています。

「モノマネ」カルチャーから脱却し、そこにある、そこにしかない、本当にポテンシャルのある「隠れた資産」を見つめ、それをどう活用するか。心の底から悩み、チーム一丸となって知恵を絞ることがないかぎり、本当に魅力的な観光施設、地方をつくることはできません。

読者の皆さんとこうしたプロセスを楽しみながら味わい、素敵な日本の観光地をつくっていける日が来ることを願ってやみません。

和田 寛 白馬岩岳マウンテンリゾート代表

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わだ ゆたか / Yutaka Wada

1976年生まれ。東京大学法学部卒業後、農林水産省、ベイン・アンド・カンパニーを経て、2014年に白馬で働き始める。

2016~17年の記録的な少雪でスキー場の来場者が激減したことを受け、白馬岩岳マウンテンリゾートの経営者として冬期のスキー客だけに頼らない「オールシーズン・マウンテンリゾート」を目指した改革に取り組む。革新的なアイデアを次々投入した結果、2019年にはグリーンシーズンの来場者数がウィンターシーズンを超え、収益も改善。2022年には18万人(2014年比818%)を超える見込み。

その活躍が大きな話題となり、わずか4年で「ガイアの夜明け」「ワールドビジネスサテライト」など100を数えるテレビ番組に紹介される。

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