人気マンガ「チェンソーマン」で考えるアベノミクス 主人公デンジの夢はなぜ「普通の生活」なのか

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「『チェンソーマン』が映し出す現実」というタイトルのコラムで、コラムの筆者によると、大人気マンガ「チェンソーマン」の主人公(デンジ)が「希望を最初から持ちえない」という描写になっており、「現代の若い世代の殺伐としたリアリティーを表現している」という。

「チェンソーマン」が映し出す経済環境

ここで、「チェンソーマン」とは2018~2020年に「週刊少年ジャンプ」で連載されたマンガで(2022年7月からは「少年ジャンプ+」で第2部が連載されている)、2022年10月からアニメシリーズも始まった注目のマンガ・アニメである。「チェンソーマン」の主なストーリーは、「悪魔」を倒していくというものだが、それは別として、前述したコラムの筆者は、主人公のデンジ少年の境遇や考え方に注目している。

なお、筆者はアニメシリーズしかチェックしていないため、第4話までしか内容を把握していないが、ご了承いただきたい。

「チェンソーマン」は、チェンソーの悪魔を体に宿して「デビルハンター」となる主人公デンジ少年の物語である。主人公デンジの境遇や考え方は、「親の借金を背負わされ、小学校にも行けず、食べるものすらろくにない」「最貧困」「夢は、普通の生活」「努力・友情・勝利によって立身出世する、という希望を最初から持ちえない」「生まれたときから何もかもを奪われ、借金を返し続けるような人生」(いずれも「大波小波」からの抜粋)として描かれている。

コラムの筆者は「『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』(昨今人気のアニメ)との共通点でもある」とし、このような人生の中で「何を欲望としうるのか」という「殺伐としたリアリティー」を見出している。前述した「さとり世代」と同様に、このような殺伐とした感覚が「チェンソーマン世代」の特徴なのかもしれない。

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