中間選挙後のアメリカは「トランプ劇場」になる このままだとまたまた12月は「大変な事態」に?

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アメリカは10月7日、新たに中国向けの半導体輸出規制策を打ち出している。10月12日に公表した国家安全保障戦略(NSS2022)においては、中国のことを「最も重大な地政学的課題」と位置づけている。中国側も、共産党大会の活動報告では、習近平氏がアメリカを念頭に置いた厳しい現状認識を示している。

そして米中間には、台湾海峡問題、供給網のデカップリング、サイバーセキュリティ、ウイグルやチベットの人権問題、ウクライナ戦争への対応、エネルギーや気候変動対策など、悩ましい問題が文字どおり山積している。

それでも両者が普通に会談するだけで、世界にとってはグッドニュースとなるはずである。米中関係に関するさまざまな不透明性が、解消することを意味するからだ。

結局、「トランプ劇場」が戻ってくる

最後に今後の展開について予想しておこう。開票作業はまだ続いており、上院では共和党が残るアリゾナ州とネバダ州の両方で勝利して、51議席に達するという可能性はまだ残っている。しかし、どちらかを落とせば前述のとおり、上院の多数は12月6日のジョージア州決選投票に持ち込まれる。このときに重要になってくるのが「トランプ氏の身の振り方」だ。

今回の中間選挙では、有権者の「反MAGA感情」の強さがあらためて浮かび上がった。共和党としては、トランプ御大にはなるべく目立たないでいてもらいたい。下手に現地に乗り込んで応援活動などされたりすると、無党派層の票が逃げてしまうのだ。「11月15日の重大宣言」も、できれば「なかったこと」にしてもらいたい。

ところが、トランプ氏にも事情がある。司法省は前大統領の起訴を大真面目に検討している。罪状は「1月6日」の連邦議会乱入事件の扇動から、大統領選挙開票作業の妨害指示、マー・ア・ラゴの別荘に秘匿していた外交機密文書まで幅広い。それを避けるためにも早めに出馬表明して、「2024年大統領候補」になっておきたいという思惑がある。

ということで、今後のアメリカ政治には再び「トランプ劇場」が戻ってきそうである。喜ぶべきか悲しむべきか、複雑な心境になるけれども、アメリカウォッチャーの端くれとしてはしっかりと見届けるしかあるまい。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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