コストコ再販店「下北沢ストックマート」の正体 コストコより割高?コストコは認めてる?
とくに昨今では円安によってコストコの販売価格そのものも上がっている。コストコは為替変動によって価格が変わるため、stockmartでもそれに合わせて価格をつけているが、客からは「コストコよりかなり高い」と誤解されてしまうこともあるという。
確かに同社のようなビジネスでは、こうした値付けのバランス感覚や、そのときそのときの人気商品、売れやすいものを品揃えする目利きが重要だろう。黒田氏によれば、コストコファンのSNS等をこまめにチェックしたり、購入の際に客が集まっている商品を狙って仕入れているそうだ。
このように、商品を仕入れて売るだけのコストコ再販店は一見簡単そうながら、手間暇が多く、ノウハウも重要なビジネスのように感じられる。
また気になるのが、本家本元のコストコは再販店についてどう考えているかだ。この件について問い合わせたところ答えはなかったが、コストコホールセールの公式サイトでは次のようにある。
「コストコは、小規模ビジネスを対象に展開してきました。再販業者は仕入れ価格を抑えられるだけではなく、ビジネス用品を低価格で購入することができます」
コストコ自体が「卸し売り」業
つまり、再販店の存在も織り込んだビジネスということだ。そもそも社名の「ホールセール」が「卸売り」を指す。再販店のほかにも、小売店やネットショップ、レストランなどがビジネス利用をしているようだ。
つまりコストコ自体が卸し売り業なので、stockmartの商品をコストコと比べて「高い」と文句を言うのはそもそもお門違いということになる。
法人会員の年会費はビジネス会員4235円、エグゼクティブ・ビジネス会員9900円となっており、stockmartでは通常のビジネス会員として登録している。大口顧客として多少年会費が安いことや、商品予約、まとめての発注などが可能なこと、有料でメンバーが追加可能なことぐらいで、一般会員との差はそれほどないという。
同社では今後も店舗を増やしていく予定とのことだ。例えば下北沢は比較的若い世代、府中は地域客やファミリー層が多いなど、場所によって客層やニーズが異なっている。立地の特徴を見極め求められる商品を提供することが、運営のコツと考えているそうだ。
以上見てきたように、コロナ禍をきっかけに、コストコの利用法が変化してきたことが、コストコ再販店の存在を通じ明らかになった。とはいえ、卸し売り店としての本来の形に近づいてきたとも言えるだろう。今、円安を背景にコストコの価格そのものも上昇していると考えられ、再販店やその他のビジネス利用事業者にとっては価格以上の価値をどれだけアピールできるかが鍵になりそうだ。
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