韓国の群衆事故、尹政権の指導力を試す試金石 支持率は30%と5月の就任時の51%から急低下
韓国の尹錫悦大統領にとってソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で150人余りが死亡した雑踏事故を巡る対応は、指導力を証明する好機となるか、さもなければ政権に無能のレッテルを貼るさらなる口実を敵対勢力に与えることになる。
尹大統領は29日夜、ハロウィーンのイベントで数万人が集まった梨泰院での事故発生からわずか数時間後に緊急会合を招集。犠牲者と家族への医療・金銭面の支援を迅速に打ち出したほか、同様の悲劇を防ぐため徹底的な調査と安全対策の見直しを約束した。
大統領は30日朝、事故現場を訪れ、テレビ演説で追悼期間を発表。午後には現場区域を特別災害地域に指定した。
米ランド研究所の政策アナリスト、スー・キム氏は「尹政権の事故への対応を巡る関心が高まっている」とした上で、与党は政権に迅速かつ適切な措置での対応を望んでいると指摘。同氏は米中央情報局(CIA)で勤務した経歴を持つ。
主要紙の論説は31日、犠牲者と家族に哀悼の意を表明。その多くが当局はもっとしっかり準備をしておくべきだったとの見方を示した。地元当局は大きな集まりになることが分かっていたはずだが、現場の警官は群衆の安全よりも犯罪防止を重視していたと朝鮮日報は報じた。
保守系で前検事総長の尹氏は歴史的な僅差で韓国大統領選を制した。ギャラップ・コリアの最新週間世論調査によると、支持率は30%と、5月の就任時の51%から急低下。回答者は不支持の理由として、外交上のトラブルや経験不足を挙げている。
原題:Seoul Tragedy Pressures President Yoon to Show He Can Lead (1)(抜粋)
--取材協力:、、.
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著者:Jon Herskovitz、Shamim Adam
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