責任を自覚している先生たちは、役割分担の意識を持っているため次のようなやりとりを行うとも聞きます。
先生:「お子さんは授業中おしゃべりが多く、周囲の子の迷惑になっていて、今、対応しています。先日も〇〇のような話をしましたので、ご家庭で様子を見てもらっていいでしょうか?」
先生:「お子さんは授業中おしゃべりが多く、周囲の子の迷惑になっている現状で、さまざま対応しているのですが、まだ変わらない状況です。私の側でもこれから集中できるように努力していきますので、ご家庭では〇〇のような対応をしていただいてもよろしいでしょうか?」
つまり、上手に対応している先生たちはこのように、自分の責任であることを自覚し、それでも手に負えなければ「家庭と共に協働して子どもを育てていきましょう」というスタンスをとります。
決して、学校の問題を家庭にすり替えて、親に丸投げはしません。
これは宿題においても同様です。筆者は次のように考えています。
「宿題は学校の問題であり、宿題をしっかりやってこないとしたら、そう指導できない先生の問題」
家庭が独自で決めた学習であれば家庭の問題となりますが、学校の宿題は先生が出している課題なので、それは先生の指導の問題なのです。しかし、論点がすり替えられることで、あたかも親の問題であるように錯覚してしまう親御さんも少なくありません。
しかし、先生も人間です。また昨今、労働環境がブラックであることが取り沙汰されるような環境にある先生たちに、責任をすべて負ってもらうことは酷かもしれません。
協働して子どもを育てていくというスタンスを持つ
そこで、次のようなやりとりもおすすめします。
先生:「お子さんは授業中おしゃべりが多く、周囲の子の迷惑になっています」
親:「それはすみません。でも、私が授業の様子を見ているわけではないので、私が言っても反発するだけですし、学校のことは先生にお任せしているので、先生のほうでご指導をお願いできますでしょうか。ただ、先生もたくさんの子どもを見ていらっしゃるので、私のほうでは、家庭でできる範囲で、勉強に集中できるように取り組みます。先生は、ぜひその場でのご指導をお願いします」
このやりとりであれば、先生には先生の立場として現場で指導してもらい、家庭では家庭でできることを行うという“協働”の形になります。本来は先生側からこのような話がでることが望ましいのですが、出てこないこともあるため、上記のように話を進めてみてください。
子どもは大人たちが協働して育てていくというスタンスを持つことが大切だと思っています。ぜひ、参考にしてもらえれば幸いです。
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いしだ かつのり / Katsunori Ishida
1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。
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