ついに「日本の失われた30年」が終わりそうだ 10月31日は「年末年始相場」のスタートになる
さて、日経平均株価はどうか。政府は10月28日の臨時閣議で、事業規模71兆6000億円の総合経済対策を決めた。
早々に裏付けとなる29兆1000億円の補正予算案を国会へ提出する。その中身は報道されているとおりだが、(1)物価高騰・賃上げに12.2兆円、(2)円安を生かした「稼ぐ力」の4.8兆円が目につく。
岸田文雄首相は記者会見で、「日米による次世代半導体の共同開発に1.3兆円をつぎ込む」と表明した。まさに稼ぐ力を高めることが日本再生の中心命題であり、それには円安がチャンスであると表明し、円安を政権が初めて明確に認めた。
円安はインフレを呼び、インフレは株高を呼ぶことは、歴史が証明している。ついに「日本の失われた30年」が終わり、好循環が始まったと筆者は確信する。
日経平均先物の前週末時点での引け値は、大証で2万7530円、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で2万7535円となっている。10月31日の日経平均現物市場が同程度だとすると、「総合乖離」(25日・75日・200日移動平均の乖離率を合計して算出)の陰転は、前営業日の28日だけだ。まさに、本日31日から「総合乖離プラス圏の買い方有利」の展開が再び始まりそうだ。
10月31日は「年末年始相場の入り口」になる
今週(10月31日~11月4日)は、10月末と11月初めの材料が混在する重要な週だ。10月31日は日本においては中間決算を締める企業も多い重要日であり、ファンドや企業の事情なども複雑に絡み合う。
また11月の月初でもあり、多くの経済スケジュールが出る。中でも2日のFOMCの結果発表、FRBのジェローム・パウエル議長会見と、4日の同国10月雇用統計という2つのイベントは要注目だ。
一方、日本企業の決算も挙げればキリがないが、11月1日のトヨタ自動車を筆頭に、主要企業の決算ラッシュを迎える。決算内容は、円安効果もあって、下馬評ほど悪くないことが確定的だ。年末年始相場の入り口ともいうべき、今週の相場。日米ともに極めて面白くなってきたと感じる。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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