「ビールは健康にいいと言える」たった一つの理由 「心のヘルスケア」のカギは幸せホルモンだった

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海外にも似た事例があります。それは、「バドワイザー」です。著名なビールで「Budweiser」と書いたほうが見慣れているかもしれません。

現在のバドワイザーは、「のどごしが……」「キレが……」「うまさが……」といったビールの美味しさを伝えるアプローチだけをしているわけではありません。

人々の交流に貢献する、ビールの役割と取り組み

バドワイザーが掲げているのは、「人々を集めるために、我々は存在する(We exist to bring people together)」。

つまり、バドワイザーは、ビールは美味しさを味わうためや飲んで気持ちよくなるためのものだけではなく、人と人の関係性をつくる、人々をつなぐためのものというアプローチを始めているのです。

そのためバドワイザーは、コロナ禍の自粛期間の頃から、次のような取り組みを続けていました。

・休業中のジムトレーナーによるエクササイズ動画の配信
・休業中のシェフによる料理スクール動画の配信
・オンライン飲み会の企画
・バー・レストランの再開支援

以上は、あくまで代表的なものです。

バドワイザーが訴えるビールの果たす本質的な役割は、人々が集まり、交流することで「オキシトシン的な幸福」に貢献することなのです。

こうした取り組みを、みなさんはどのようにお感じになったでしょうか。

「よく聞く、ファンビジネス、リピータービジネスの例だよね」と思った人もいるかもしれません。しかし、私がみなさんにお伝えしたいのは、単に消費者を囲い込むためのテクニックではありません。

オキシトシン的幸福である人と人とのつながりに着目したビジネスが消費者の支持を得ている、その背景にある価値観の変化について知っていただきたいのです。

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