「とりあえず有名企業」で職場を選ぶ重大なリスク ボタンの掛け違いで消えてしまう「心の火」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここでひとつ、次の質問の答えを考えてみてください。

Q あなたは、飲食業界で仕事をまっとうしたいと考えて、就職活動をしています。どちらの職場を選びますか?
A 日本で一番有名で大きな飲食チェーンを展開する企業
B 知る人ぞ知る名店

みなさんはどちらを選んだでしょうか?

たとえば、「料理やサービスの腕を磨いて、職人的なプロフェッショナルを目指したい」「いずれは独立して自分の店を持ちたい」と目標を持つ人は、「A」ではなく「B」に魅力を感じるのではないでしょうか。

一方、スケールの大きなビジネスを通じて成果や成功を収めたいと考える人にとっては、「A」に魅力を感じます。安定した収入や組織での出世を優先したい人も、「A」を選択しそうです。

ほかにも、「まったく新しいサービスで飲食業界に革命を起こす!」と夢を抱く人は、まず大手でノウハウを学んでからと「A」を選択するかもしれないし、プロの技術を身につけてからと「B」を選択するかもしれない。

このように、それぞれの描くキャリアや目標、仕事への向き合い方によって、選択する答えは変わります。

「とりあえず有名な企業」で職場を選ぶ重大なリスク

つまり、この質問に対する正解はありません。

読者のみなさん、それぞれの仕事観、キャリア観によって、選択はおのずと変わってくるからです。

ところが、現実はどうでしょう?

「A」が正解と思い込んでいる(または、その考えを相手に押し付けてくる)人もいるのではないでしょうか。

日本では、昭和の時代から“新卒一括採用”“年功序列”“終身雇用”などの雇用慣習や人事制度が組織に根付いています。その結果、就職活動では、極力リスクを取らないように、先々でいわゆる“つぶし”が利くようにと、「A」を選ぶことが勝ち組、つまり正解とされてきました。

「業界で有名な企業」「業界の大手企業」「給与が高い企業」等々。 

次ページ有名企業に就職=賢い生き方と思い込んでいる人も
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事