謝罪の場面を好機に変える人が実践していること 相手が不機嫌なときこそ好印象を残すチャンス

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商談をしているとき、なぜか相手はずっと不機嫌だった。なにがいけなかったのだろう? 理由がよくわからないまま、もやもやした気持ちのまま席を立とうとする。

そのときが肝心です。「今日は失礼いたしました……」とぼそぼそ言いながら、逃げ去るのはおすすめしません。あなたに原因がないのかもしれないし、あなたの言動が相手の気に障ったのかもしれないし、不機嫌なのは見た目だけなのかもしれない。

いずれにしても、その後、相手の身の回りであなたのことが話題になったとき「ああ、あの人ね……」と否定的な印象で語られるのは損です。だから相手が心を閉ざしたままでも、あなたは心の中で舌打ちをしたりせず、「知識も経験も足りなくて、良いお話ができませんでしたが、お時間をくださったことに感謝します。よろしければ、もう一度お目にかかるチャンスをいただけたらうれしいです」こんな風に去り際は丁寧な言葉で結びましょう。

それでも相手は不機嫌なままかもしれません。しかし後日、どこかであなたの話題が出たとき、きっと「ああ、あの人。いい人ですよね」という肯定的な印象で語ってくれるはずです。

相手のことを思い出せないときは、素直に焦る

「はじめまして」と名刺を渡したら、相手から「お会いしたことありますよ」と返されてしまった。ギクッ!場が凍りつく瞬間です。

でもたくさんの人と会う人ならば、きっと珍しくない出来事ですよね。
なんとかその場を切り抜けたい。そんな思いから、誰だか全然思い出せないのに、「覚えています」とあわてて嘘をつくのも大人のやさしさかもしれません。でもそのあとの会話がぎくしゃくするのは目に見えています。

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私はこういう場合、うまくしゃべろうと思わず、なにを思っているか、心の中を実況中継することにしています。たとえばこんな感じです。

えーちょっと待ってくださいよー、待ってくださいよー。これもしかして私ピンチじゃないですか? すごく失礼なことをしていませんか? お名前がわからなくてめちゃくちゃ焦っています。緊張で嫌な汗をかいてきました。

こんな風に一生懸命しゃべりまくれば、相手も苦笑いしながら正体を明かしてくれるはずです。

ちなみに「お名前なんでしたっけ?」「○○です」「あ、いや下の名前」こんなワザもありますが、狼狽している自分を正直に伝える方が好印象でしょう。

誤り方一つで相手が受け取る印象や、許してもらえるかどうかが決まります。「かわいい言い方」で「許され力」を身につけましょう。

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