びっくりドンキーが圧倒的支持を集める納得の訳 「ガリバーメニュー」「満喫セット」年8回イベントも

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岩手県盛岡市で営業中の「ベル大通店」
岩手県盛岡市で営業中の「ハンバーグのベル大通店」。店内メニューは「びっくりドンキー」と同じだ(写真:アレフ)

コメや野菜にもこだわる。「お米は除草剤の使用を1回以下で育てた省農薬米、野菜も減農薬や化学肥料の使用など栽培基準を厳格にしています。“体によくないかもしれないものは使わない”がモットーです」。

かつて取引先に「アレフは要求が細かい」といわれたほど徹底しているという。

(3)の楕円形は、箸(はし)でも切れやすいので、提供された箸で食べる人が多い。焼き方も工夫しており、味付けは、しょうゆベースで日本人に合う味にしている、という。

「ハンバーグソースのレシピは厳格に管理されており、社内でも数人にしか明らかにされていません。私も知らない門外不出の味なのです」

時代とともに味付けは少しずつ調整される。SNSでは個人が作った「びくドンのレシピ」が公開されているが、本当の味付けはトップシークレットなのだ。

さまざまな「びっくり」でアピールした

レストランの歴史では、特に日本経済が元気だった1970年代から1990年代前半、ファミリーレストランはさまざまな「非日常」を演出した。同店もユニークな訴求を行ってきた。

店名の「びっくりドンキー」は、不思議な名前として覚えてもらえた。ドンキーはロバのこと。馬に比べて地味だが、まじめにコツコツ働くイメージもある。

郊外の戸建て店は外観も個性的で、特に関西地方のFC(フランチャイズチェーン)店はユニークな店が目立つ。店内は木質材やアンティーク小物などを駆使。階段途中に自転車が置かれた店もあった。かつては「おもちゃ箱をひっくり返したような」と説明を受けた。

だが、時代の推移や来店客の成熟に伴い、徐々に “ちょっとびっくり”部分は整理されていった。大きな扉のメニューも、一部の店舗ではタブレット端末となり、自ら注文を入力する。

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