黒人男子を「リトルモンキー」と呼んだ議員の末路 ロス市民が激昂した差別発言のオンパレード
政治家が高笑いしながら幼い男の子を「猿」と呼ぶ――。そんな前代未聞の「差別発言」にロサンゼルス市民の怒りと悲しみは頂点に達した。
事の発端は、ロス市議会の議長を務めるヌリー・マルティネス議員(49歳)のレイシスト発言が録音によってリークされたことだった。
昨年、マルティネス議員と2人の同僚男性議員など4人で内輪のミーティングが行われた際、会話が何者かによって録音され、音声ファイルが最近ネット上にアップされた。そこにはマルティネス議員が、ミーティングに参加していない白人男性議員の養子の黒人の息子のことを、「リトルモンキー」と呼ぶ声が録音されていたのだ。
この男子の父親は、同じ市議会のマイク・ボニン議員。同議員はハーバード大学卒のゲイ男性で、同性婚した夫とともに男子を育てている。録音の中で、マルティネス議員はボニン議員を「ビッチ」と呼び、息子の存在を「まるでアクセサリー」だと揶揄。すると2人の男性議員の1人が、すかさず「まるでルイ・ヴィトンのバッグみたいだね」と合いの手を入れた。
メキシコ先住民族を「背が低く、色が黒い」
マルティネス議員の口撃はこれで終わりではなかった。次の標的は、ロス市内のコリアタウン地域に昔から多数住んでいる、メキシコのオアハカ州出身の先住民族の人々に移った。
「背が低く、色が黒い人たち」
「彼らはいったいどこの村から来たのか?」
「彼らはものすごく醜い」
ちなみに、差別発言を繰り出しているマルティネス議員自身は、メキシコ系のアメリカ人。両親は移民で、自らもメキシコにルーツがあるのにもかかわらず、自分より「肌の色が濃く、身長が低い」という理由で、メキシコから移住してきた先住民族の有権者を、笑いながら差別しているのだ。
この録音がロサンゼルス・タイムズ紙のネット版に記事と共に掲載されると、市内は大騒ぎになった。全米最大の中南米移民支援団体である「セントラル・アメリカン・リソース・センター」のソチー・サンチェスさん(30歳)は市議会の建物の前でこう語る。
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