「いい人材が集まらない」企業が行いがちな採用法 「逸材を揃えたければ人任せにしない」が鉄則

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◎求職者の変化1:検索スキルの向上が仕事探しにも影響を及ぼす

ミレニアル世代は、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスが普及した環境で育ってきたため、特に意識せずそれらを使いこなしています。また情報リテラシーも高く、自らのニーズに合ったサイトに最短でたどり着くための検索スキルも優れています。彼らが仕事探しで検索を行う際の特徴をまとめると、次のようになります。

・調べたい職種や能力などをはっきりと入力する
・検索エンジンが認識できるシンプルな言葉を入力する
・検索結果を予想しながらキーワードを入力する
・知りたい情報がヒットしないときは、いくつも言葉を変えて検索してみる

また、求人情報サイトで職探しをしていても、興味のある企業が見つかれば、その企業のウェブサイトにアクセスして、どんな情報を発信しているのか確認します。そこで「自分には合わない企業だ」と判断すれば、たとえその求人情報がよい条件であっても、すぐに別の就職・転職先を探してしまうのです。

◎求職者の変化2:SNSの活用で「情報を引き寄せる」

仕事探しに限らず、ネットの使い方全般でいえば、TwitterやFacebookなどのSNSを活用して、あふれる情報の中から自分にとって重要な情報を自然に集める「情報の引き寄せ」ともいえる行動がみられるようになりました。

「情報への行動」における特徴2つ

2018年に博報堂DYメディアパートナーズなどが発表した調査分析によると、「情報に対する行動」において、次の2つが特徴的なものとして挙げられています。

・スクリーンショット、メモ、SNSなどで、とりあえず「ためる」
・フォローやいいねを積極的にしたり、検索など履歴を活用するなどして、自然に「たまるようにする」

こうしたネットの使い方、情報検索スキル、SNS上での行動様式が、仕事探しにおいても活用されるようになっています。

◎求職者の変化3:ライスワークからライフワークへ

もうひとつ着目すべき点が、求職者の「仕事に対する意識」です。かつての「高学歴・大手企業・ハードワーク・昇進」優先の働き方は急激に陳腐化し、仕事の価値観は多様化しています。ベンチャー企業への就職や起業、パラレルワークなど、自分の価値観を重視し、自分らしく生きるための働き方が加速度的に広がっているのです。

ミレニアル世代の多くは、「仕事だから」とプライベートを犠牲にしたいとは思いません。金銭的な報酬のために働く「ライスワーク」ではなく、よりよい人生のための「ライフワーク」を求めて仕事を探し、企業を選ぶ傾向が強くなっているのです。そのため、企業に対しては、

・その会社に入ってスキルアップ・キャリアアップできるか
・自分のワークライフバランスを実現できる環境が整っているか
・自分が働きやすい良好な人間関係が実現できるか

という点を重視しています。

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