「レストランの水問題」なぜ何度も話題になるのか 無料の水はマナー違反?意見分かれる2つの視点

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飲食店で提供される「水」の値段について、日本でたびたび話題になるのはなぜなのか(筆者撮影)

「日本人は、水と安全はタダだと思っている」。

この言葉、日本の特性をあらわすものとしてご存じの人も多いだろう。しかし、こと飲食店において、それは通用しなくなってきたかもしれない。

先日、1つのツイート(引用:@irk_hrk さんのツイート)が話題になった。

レストランで飲み物の注文を聞かれた男性が「無料の水でいいです」と答えたという1本の漫画。

同席者の女性はそのふるまいを「恥ずかしい」と思いながらも、ご馳走になる手前、何も言えない。

自分の卓に飲み終わった水やパンのおかわりが補充されないことを「店側の無言の抗議」と受け取った女性は「ひと肌脱ぐしかない」と、男性に「何か飲みたいな」と提案するが、その真の意味を受け取らなかった男性が「だよね? すみません、お水ください」と、スタッフにさらに水のお代わりを頼むという内容だ。

【2022年10月25日21時40分 追記】引用元を加えました。

水は本当にタダなのか

レストランでの水と値段の問題は古くて新しい問題で、思い出されるのが、有名シェフによる2013年の「水800円騒動」だ。

「水だけで800円も取られた」という口コミに「いい水を出しているからこの価格になるのは当然」とシェフ側が反論して炎上した事件。

このときはシェフがゲストの年収の問題と絡めて反論したことが視聴者の反感を買い、結果的にシェフはメディアに出なくなってしまった。

店側としては、有料のドリンクについては1本くらい頼んでくれたらと思う場合が多いようだ。

その理由は2つある。

まず、いわゆる高級店とされる飲食店は基本的に料理で大きく利益を取ろうとは考えておらず、比較的安めに設定しているからだ。その分ドリンクを多少高めに設定して、必要な利益を確保する傾向が多くみられる。

また、ドリンクやワインは、飲食店にとって料理の世界をふくらませ、より楽しんでもらうためのアイテムでもあるからだ。

つまり、飲食店にとってドリンクは、料理を高く見せない代わりに利益を上げるもの、また料理に個性を付加するものとして位置づけられているといえる。

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