あなたが人の話を「半分」も聞けていない理由 「言った」「言わない」論争で失敗しないために

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たとえAさんのことを知らなくても、似たような経験があれば気持ちが動きます。相手の話をきっかけに、自分の気持ちが湧き上がってくるのですね。このときも、やはり意識は自分に向いています。

さらに、もう一つ。人と会話をしているときは、何も言わずにずーっと黙っているわけにはいきません。相手の話を聞きながら、相手に対して何と答えようか、どんな表情をして返事をしようか、そんなことを無意識のうちに考えています。この場合も、意識は自分に向いているのです。

いかがでしょう? 私たちは人の話を聞きながら、それをきっかけに、自分の記憶やそのときの気持ち、相手との対応に心が向いてしまう瞬間があります。そんなときは相手ではなく、自分に意識が集中してしまい、その結果、きちんと話を聞いている「つもり」でも聞こえていない状態が生まれているのですね。

大事なことについては「おせっかい」になれ!

問題は、その瞬間、相手の話の重要部分を聞き逃しているかもしれないことです。瞬間ならまだ傷は浅いですが、場合によっては、しばらくの間、自分の世界に入り込んでいる場合もあります。ところが、意外に本人はそのことを自覚していません。そのため、「言った」「言わない」「聞いていない」といったトラブルにつながり、相手への不信感を生むことになってしまうのですね。

このようなトラブルを防ぐには、2つのことを心掛けてください。一つは「大事なことについては、相手に遠慮をしない」こと。特に相手にきちんと伝えたい内容のものは、“おせっかい”ぐらいがちょうどいいと思いましょう。

確かに、「大人なんだから、一度、言えばわかるよね!」「大人なんだから、何度も言ったら失礼にあたる!」という気持ちになってしまうのもわかります。このような考え方はあなただけではなく、相手も持っています。そのため、「言った」「言わない」に発展して、相手への不信感につながります。

特にビジネス上の人間関係では、遠慮は絶対に禁物です。それがミスにつながり、大きな損失を生むこともあります。さらには、事故やトラブルの原因にもなります。

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