相方ブレークで「麒麟」田村裕が思うコンビの意味 「ホームレス中学生」から一転、収入は今厳しい

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

昔の話になりますけど、僕は『ホームレス中学生』が売れた時に入ってきた仕事は全てコンビで受けたんです。一人では行きませんと。当時の僕にしたら、良かれと思ってのことだったんですけど、どうも川島はそれがイヤだったみたいで。

逆に、今、川島は自分のバーター的に僕を入れることは一切しません。時を経て、僕としては今それですごく助けられています。

「今日も川島のおかげで仕事があった」。そう思うと、ありがたさ以上にみじめな気持ちになるだろうし、最後の最後の実家みたいなところはあるけれど、そこに依存せずにしっかりと自分は自分でやるしかない。それを感じられるのも川島に感謝しているところです。

感覚的な話になりますけど、これまではずっと「麒麟」という馬に川島がジョッキーとして乗っていて、僕は後ろでしがみついているイメージでした。

そして「麒麟」には小さいポニーみたいな子どもがいて、その小型の馬に乗って僕は「―ナイトスクープ」に行ったりしている感覚でした。

劇的にお金はなくなったけど幸せ

あらゆる波を経て、今は川島と同じ「麒麟」という馬に乗れている感じがしているんです。ちゃんと乗れてるかどうかは分からないですよ(笑)。なんとか、しがみついているだけかもしれないけど、川島と同じ馬には乗っている。技術は違うと思いますけど、同じ馬に乗るライバルジョッキー。それが今の感覚だと思います。

デビューしてすぐ「M-1」決勝に出て、本が売れて“一発屋”ならぬ“一冊屋”にもなって、そして相方が爆発的に売れた。

いろいろなことがありましたけど、この歳になって思うのは、今が一番面白いなと。幸せでもあるなと。強がりちゃいますよ(笑)。ホンマにそれが今の思いですし、劇的にお金はなくなりましたけど、今の思いがあれば、また先が見えてくる。心の底からそう思えているのも事実なんです。

■田村裕(たむら・ひろし)
1979年9月3日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属。NSC大阪校20期生。同期の川島明と1999年に「麒麟」を結成。2001年、第1回「M-1グランプリ」で決勝に進出し全国的な知名度を得る。「M-1」決勝には5回出場。受賞歴は上方お笑い大賞最優秀新人賞、上方漫才大賞新人賞、MBS新世代漫才アワード優勝など。2007年、幼少期の激動の日々を記した自叙伝『ホームレス中学生』を上梓。220万部以上のベストセラーとなり、映画、ドラマ、漫画など派生作品も作られる。2011年に結婚。2014年に長女、2017年に二女が誕生する。ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」などに出演中。InstagramやTwitterなどにも精力的に取り組んでいる。
中西 正男 芸能記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかにし まさお / Masao Nakanishi

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。noteで「全てはラジオのために」(note.com/masaonakanishi)も執筆中。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事