マツダ「2%戦略」大成功でもたった1つ残る課題 時系列分析に見たマツダのブランド戦略の課題
2014年時点では2割にも満たなかったSUV率は、2021年には約55%となっている。着実にSUV比率が上がっており、売れ筋の車種が大きく変わっていることが読み取れる。
マツダは2012年にCX-5を発売したあと、2015年に「CX-3」、2017年に「CX-8」、2代目「CX-5」、2019年に「CX-30」、2020年に「MX-30」と、毎年のようにSUVを投入しており、「マツダといえばSUV」のイメージを確固たるものにしている。
続いて「購入価格」の推移を見てみよう。2014年~2021年の購入価格の平均値を出してみた。購入価格の絶対値はラインナップの影響が出るので、軽自動車や小型車が多いメーカーでは低くなり、ミドルサイズ以上の車種が多いメーカーでは高くなる。そのため絶対値ではなく“上昇率”に注目したい。
マツダは2014年の平均が255万円であったのに対し、2021年には323万円まで上がっている。自動車の価格は、最新の安全装備や運転支援機能などの充実により年々上昇傾向である。そんな中で、2014年から2021年の上昇率を見てみるとマツダは1.27倍で、他メーカーより大きな伸びを示す。
どのセグメント(ボディタイプ)の車種を多く売っているかは、販売単価に大きく影響を及ぼす。デザイン性や高級志向の観点で他のセグメントよりも高価格帯であるSUVに集中する戦略は、功を奏していると言えるだろう。
狙ったイメージを着実に獲得
次に、購入したメーカーおよび車種への「イメージ」の時系列変化を見ていこう。まずはメーカーの観点で見ていく。購入年ごとにイメージを聞き、購入者がマツダというメーカーに対してどのようなイメージを抱いているかをまとめた。
すると、「センスのよい」と「洗練された」が大きく伸ばしているという結果が出た。「センスのよい」は、2014年から見ると20ポイント程度、「洗練された」は2倍程度にまで増加している。
今度はメーカーではなく、マツダの車に対するイメージの変化を見てみよう。結果は、「都会的」「高級」「おしゃれ」などがスコアを伸ばすものとなった。メーカーとしてのマツダ、およびマツダの車へのこうしたイメージ変化の大きな理由は、やはり「魂動デザイン」であろう。
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