「連ドラ主演俳優」を送り出す芸能事務所トップ10 地上波連続ドラマを4年半分調べてみた結果

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ここまでお読みいただいた皆さんも、トップ1がどこの事務所か、薄々勘づかれていらっしゃるのではないかと思います。そうです……

第1位:ジャニーズ事務所 66本

ドラマファンであれば、普段からその多さに気づかれていることと思います。堂々の第1位は、ジャニーズ事務所です。何とその数、66本! 4年半の間に放送された全連続ドラマ枠の1割以上に主演俳優を送り出している計算です。平均すると1年に15本はジャニーズ事務所所属の俳優が主演してきたワケです。

実はコレ、最近になって拍車がかかった感もあり、この7月クールでは8本、10月クールでも、ダブル主演となっているものも含め、7本もの主演作が放送されています。事務所の力の大きさを強く感じますが、逆から見れば、それだけ“需要”と“実績”があるということでしょう。それなりに“数字”が獲れなければ、これだけの数には至らないでしょうから。

「事務所のゴリ押し」という批判はあるが…

――ということで、以上が筆者の調査結果となります。もちろん、大手の事務所でなければ主演できないなどということはありません。事実、この4年半の連ドラで最も多く主演をこなしている玉木宏は、こちらのトップ10入りした事務所の所属ではありませんし(ちなみに彼は、アオイコーポレーション所属)。

よく「事務所のゴリ押し」などという批判が浴びせられたりするように、確かに売り出し中の自社所属俳優を、力のある事務所がネジ込むということはあるでしょう。でも、そうやってチャンスを与えられても、視聴者をはじめ、制作サイド、テレビ局の編成や営業、そしてスポンサーなどから、一定の“評価”を得なければ、2度3度の起用が難しくなるのは当然です。

そうやってチャンスをモノにした才能が、主演を待望される看板役者へと駆け上がっていくワケですね。しかも、そうした才能を数多く抱えた事務所でなければ、このトップ10にランクインできない、言い換えれば、“力のある事務所”にはなりえないのだということを改めて実感した結果でもありました。

小林 偉 メディア研究家

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こばやし つよし / Tsuyoshi Kobayashi

メディア研究家、放送作家、日本大学芸術学部講師。東京・両国生まれ。日本大学藝術学部放送学科卒業後、広告代理店、出版社を経て、放送作家に転身(日本脚本家連盟所属)。クイズ番組を振り出しに、スポーツ、紀行、トーク、音楽、ドキュメンタリーなど、様々なジャンルのテレビ/ラジオ/配信番組などの構成に携わる。また、ドラマ研究家としても活動し、2014年にはその熱が高じて初のドラマ原案・脚本構成も手掛ける。

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