精神状態はつねに悪かったが、受験勉強は真面目にやっていた。
「結果的に、一浪して東京大学に受かりました。ほんと真面目だったと思います。むしろチャランポランにしていたら、身を助けていたんでしょうが。
すぐに真剣になっちゃって、受験勉強もして、部活もやって……。その時は本当に、死にたかったですね」
自宅から東京大学に通いはじめた。
「でも大学の環境はよかったですね。飯を1人で食ってもいい。1人で適当にウロウロしてても怒られない。人をからかって笑うみたいなノリもそんなにない。ずいぶん楽になりました。
家庭とか学校って流動性が本当にないですよね。隣の人と近すぎます。隣の人が嫌いでも、毎日毎日その人の顔を見なければならない。
大学はそういうストレスはなかったですけど、ただ孤独な時期はありました。楽しい孤独ではありません。いつも誰か気が合う人と話がしたいと思ってました」
書く仕事がしたいと思っていたがメーカーへ就職
高校時代、大学時代通して、将来は文章を書く仕事がしたいと思っていた。
「散々音楽は聞くのに自分ではあまり楽器はひかなくて。絵も描かない。書くのは文章だけだけど、これも日記しか書いてなかったです。将来は、学者、評論家、音楽ライターになれないか? とは思ってました」
ただ卒業した後は、一般メーカーの会社に就職した。地方の工場で働いた。
「会社に入ってすぐに
『高校時代のあの嫌な感じがもどってきた』
って思いました。
同じ班に1人無視されている人がいたんです。班のひとりは、
『あんなヤツと口きくことないよ』
って言ってきました。全然変な人じゃなくて、結局なんで彼が無視されているか理由は最後までわかりませんでした。
彼と喋っていたことが原因で、今度は自分が村八分の対象になってきました。
結局その会社を辞めて、別の会社に入りなおしたんですけど、そこでもパワハラを受けました。
オフィスや教室のような空間の中で働くのは無理だと思いました。
このまま通い続けたら死んでしまうって、命の危険を感じました。それで、会社で働くのは辞めました」
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