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政治・経済・投資 #大槻奈那先生、金融の修羅をゆく

日米の1人当たり富の格差、個人はどうすべきか 円安加速の中、「一億総二流」化に歯止めを

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  • 大槻 奈那 ピクテ・ジャパン シニア・フェロー、名古屋商科大学大学院 教授
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ここまで資産格差がついてしまった理由は何か。株価や不動産価格の上昇率の違いもあるが、やはり資産の内訳の違いが大きい。日本人の投資不足は古くから耳にタコができるほど聞かされていることだが、依然として預金が好きなことは変わらない。

今年の6月末時点の日本人の平均の預金比率は、54.9%で、アメリカの70歳以上の約2.7倍だ(図2)。日本人の年齢の中央値は49歳とアメリカよりも10歳ほど高齢な分、多少保守的になるのは自然だが、それだけではとうてい説明できない違いだ。

アメリカはバブル崩壊を経験しても預金比率低い

理論上、経済成長の恩恵を享受するために、家計は一定の株式を保有すべきとされる。アメリカですら家計の株式への投資は不足していると言われてきた。株式投資が少ない理由は、主に投資調査にかかわる時間やコストと、株価のリスクと言われている。

実際、株式のリスクが強く意識された1987年のブラックマンデーや2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック等の株価暴落後は、アメリカの家計における預金の比率も若干ながら上昇し、株式の比率が低下していることがわかる。しかし、こうしたリスク回避志向からの回復も早く、2009年以降の預金比率は比較的低位に安定している。

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【資産の内訳の違いで格差が拡大】

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