実際は、1と4のパターンを併用する、あるいは時期によって使い分けるなどの対応をしている。
なお、パターン1などは、公平・公正な選考と言えそうで、下位校でもチャンスがあるといえばあるが、競争は熾烈であることは言うまでもない。平等であるということは、「機会」と「結果」で分けて論じるべきだが、「機会」は平等でも、「結果」までは保証してくれない。自由競争は美談なようで、自己責任を伴うのである。
当然、学生はこれらの選抜システムの違いがわかるわけがない。このように、平等を装った競争が行われているのである。
それぞれに傾向があるはず!
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれないが、学歴差別・区別がある場合、いくら頑張って受けても無理なわけである。「諦めたらそこで試合終了だよ」は、いまや現役学生にはほぼ通じなくなった『スラムダンク』の安西先生の名言だが、諦めた方がいいこともあるのだ。
その前に、まず力を入れたいのは、自分の大学の就職事情に詳しくなることである。高校を受験する際も、「この高校の大学進学実績はどうなのだろう?」ということが気になっていたはずだ。就活は、なんせ企業にとっては採用活動であって、これまで述べてきたように厳正な選考になっていないものでもあるが、とはいえ、この大学からどの企業に入っているのか、傾向があるはずである。
そう、だいたい「ウチの大学から◯◯社は厳しいな」「求人が回復したときには大手に行っているけれど、普段は厳しいな」「大手に入っている人が多そうだが、ほとんどは女子学生が一般職、特定総合職で入社しているパターンだな」など、傾向があるものだ。
前出の明治大学×某大手ビール会社の事例などがわかりやすい。学歴差別・区別があるかどうかは別として、ウチの大学から採用しそうなのかどうかを考えてみたい。あまりに過去の採用数が少ない場合、しかもその会社に長くいたい場合、本当にそこに行くのがいいのかという話になるのだが。
大学全体だけでもそうだが、学部・学科、ゼミ・研究室単位でみてみると、強い業界・企業などが明らかになってくる。どこまで細かく見ることができるかどうかは大学によるのだが、キャリアセンター、就職課などに行ってまずはこれをチェックしてみる。
リストとにらめっこすることにより、就活スタート前まで名前も知らなかったが、毎年、入社している企業などを確認することができる。このような企業はOB・OGも多数いるし、大学教職員も事情をよく知っているので安心できるものである。キャリアセンター、就職課で質問すれば、毎年、どんなタイプの学生が進んでいるのかなど、より深い話が聞けるものである。
東洋経済新報社の回し者のつもりはないが、同社刊の『就職四季報』シリーズにも各社の採用実績が公開されている。記者の取材による客観的な情報が載っている『会社四季報』と合わせて読んで、企業事情の把握に役立てたい。まずは、自分の大学から採用されそうなのかということを確認しておきたい。
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