東洋経済オンラインでは毎年の定点観測で、さまざまな視点のランキングを公表してきた。同じランキングでも過去と直近の上位の顔ぶれを比較すると、少しずつ変化していることがわかる。変化や安定性を見るため、今回は有価証券報告書ベースの財務データを利用し、過去からの累積額で見たランキングを紹介する。
見やすくするために、棒グラフの増減と入れ替わりで視覚的に理解できるアニメーション形式で表現した。時点ごとのランキングではなく、10年間での積み上げ額でランキングしているので、安定的に続けられるかが勝負のカギになる。
2017年からトップを走るキーエンス
今回紹介するのは「過去10年の平均年収の積み上げ額」のランキングだ。各社単体の従業員の平均年収を足し上げたものなので、特定の人物が10年勤務した場合の年収とは異なる値となる。ただ10年間で企業の置かれる立場は変化する。直近の平均年収をベースに生涯年数や10年勤務の年収を試算することもできるが、このランキングでは企業の栄枯盛衰を踏まえた現実的な数値を見ることができる。
データは2011年4月1日から2022年3月31日までの決算期の有価証券報告書で公表された、各社の公表値を足し上げて作成した。この期間に決算期間の変更を行っている場合は、1年内に到来した決算が2回あれば、2回の平均値をその年の年収として積み上げた。
ランキングの変化を見ていくと、2012年時点の年収トップはスクウェア・エニックスだった。順調に積み上げて額を伸ばし1位をキープしていたが、その首位の座を2017年に奪ったのはキーエンスだ。キーエンスはその後も安定的に2000万円程度の年収を積み上げて、今では断トツでトップとなっている。
ジャンプアップが見られるのはヒューリックや地主(旧:日本商業開発)などの不動産関連。総合商社は積み上げた金額を伸ばしている一方で、2012年当時にトップ5に君臨していた民放テレビ4社は足踏みが見られる。
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