エリザベス女王「唯一の訪日」昭和天皇との思い出 昭和天皇もかつて訪英、その絆は脈々と続く

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エリザベス女王、訪日時の様子(写真:AP/アフロ)
エリザベス女王が9月8日、96歳で死去した。エリザベス女王は、イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位してきた。イギリス王室と日本の皇室の縁は深く、エリザベス女王は1975年に日本に来日している。関東学院大学教授の君塚直隆氏の『エリザベス女王――史上最長・最強のイギリス君主』を一部抜粋・再構成し、訪日時のエピソードを紹介する。

今回の女王訪日を儀典長として取り仕切った内田宏(うちだひろしが)、今回の訪問で最も印象深かったことについて女王に質問している。

すると彼女はすかさず

「それは陛下【昭和天皇】にお目にかかり、教えを受けたことです」と答えている。

「立憲君主とは何か」を伝えるきわめて大切な言葉でもあるので、少し長くなるがここに引用したい。

エリザベス女王からの言葉

女王は孤独なものです。重大な決定を下すのは自分しかいないのです。そしてそれから起こる全責任は自分自身が負うのです。法律的には色々な免責その他の方途はあるかもしれませんが、女王として道義的に負う責任に変わりありません。

私には数多くの助言者がおります。私の夫はその最たるものです。そして王室関係者、政府関係者が献身的に、責任を持って事にあたってくれます。心から感謝しています。しかし歴史に裁かれるのは私であると覚悟しております。

この立場が分かっていただけるのは、ご在位50年の天皇陛下しかおられません。私も在位23年でかなり長いのですが、陛下は私の倍以上です。

戦争と平和を国民とともに歩まれた方ですので、この陛下のお言葉から、私は私自身にも分からない将来のことについて教えられることが多いでしょうし、自分が教えを受けられるのはこの方しかいないと信じて、地球を半周して来たのです。

十分報われました。陛下のひと言一言に、私は多くの、そして深いものを感じました。感謝で一杯です。(『皇室』第47号、扶桑社、2010年、34~35ページ)

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