英国中堅アパレルがこぞって日本を狙うワケ

日本の大手アパレルにはない強みとは

2月にオープンしたテッドベーカーの表参道店

厳しい状況が長く続いている日本のアパレル市場。しかし、6年連続で2ケタ成長を続けているイタリアのバッグブランド「フルラ(FURLA)」をはじめ、手に届く価格帯のインポートブランドが比較的好調に推移している。こうした中、2つのイギリス発のブランドが攻勢をかけている。1994年創業のオールセインツと、1988年創業のテッドベーカーだ。

オールセインツの洋服の特徴を一言でいうなら、「流行に左右されないモード」だろうか。モノトーンを基調としたシンプルなアイテムが中心で、男女の売り上げ構成比はほぼ半々。象徴的なアイテムはレザーのライダースジャケットで、さまざまなバリエーションのジーンズにも強みがある。

ジーンズのフレイドヘム(裾の切りっぱなし)やビッグサイズのカットソーなど、旬の流行を取り入れているにもかかわらず、不思議と普遍的な魅力がある。似ているブランドを強いて挙げれば「ザラ(ZARA)」だが、プライスやクオリティはワンランク上で、これまでのインポートブランドではありそうでなかった存在だ。

テッドベーカーの特徴は?

一方のテッドベーカーは、オールセインツとは正反対のカラフルでポップな世界観が持ち味。メンズ、レディース、キッズをバランス良く展開していて、イギリスでは国民的なブランドのひとつとして親しまれている。テイストで言えば、同じイギリスのポール・スミスに近いが、価格はワンランク下でもう少しモード色が薄い。

両社ともに海外事業の業績は絶好調で、欧米に次ぐ成長市場としてアジアをターゲットに見据えている。中国、韓国とともに、両社が重視しているのは日本市場。需要に対して供給過多(オーバーショップ)と言われて久しい日本のアパレル市場をどう攻略しようとしているのか。両社の特徴を分析してみよう。

オールセインツは、モノトーンを基調としたシンプルなアイテムが中心だ

オールセインツはメンズブランドとして創業。1997年には初となる路面店をロンドンに開店し、翌年にはレディースもスタートさせた。以降はイギリス国内で店舗数を少しずつ増やしてきたが、2006年にアイスランドの投資信託銀行の出資を受け、グローバル展開を開始。パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスなどに矢継ぎ早に店舗をオープンさせた。

しかし、好調だった企業に暗雲が立ちこめる。2008年にアイスランドで金融危機が発生し、投資信託銀行が倒産したのだ。これにより経営難に陥り、消費財セクターに特化したプライベート・エクイティ・ファンドのライオンキャピタルの傘下となった。

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