「ネット通販」にすがるアパレルの密かな苦悩 大型モールに頼らず生き残る方策とは?
みなさんは、洋服をオンラインストアで買ったことがありますか?
毎年右肩上がりで伸びている日本のeコマース(EC)市場。衣料品や服飾雑貨などのEC市場規模も、直近の2015年では前年比7.9%増の1兆3839億円となり、個人顧客向けのECとしては、食品や飲料に次ぐ高い伸びとなりました(経済産業省「平成28年電子商取引に関する市場調査」)。
高価格帯の百貨店衣料品などが苦戦を強いられているように、アパレル全体の市場規模がここ数年停滞し続ける中、ECをいかに伸ばせるかによって、今後の優勝劣敗は鮮明になってくるでしょう。
ただ、競争環境は熾烈です。「ゾゾタウン」や「マガシーク」などのファッション専門ECや、各小売店やブランドが独自に運営するストアに加え、アマゾンや楽天などの総合モールでも洋服を買うことができます。
無数のサイトがひしめく中で、運営元や各ブランドはどう生き抜いていくべきなのか。アパレルECの現状を整理し、今後の展望を探っていきましょう。
アパレルECの2つの異なる方向性
「どこでも買えるものを扱うサイト」「そこでしか買えないものを扱うサイト」。アパレルECは大きくこの2つに分けられます。マスに対してアプローチを図るのか、コアに対してアプローチを図るのかという風に言い換えてもいいかもしれません。
どこでも買えるものを扱うサイトの代表例となるのが、アマゾン、楽天、ファッション専門であればゾゾタウンといった大型モール。扱う商品自体はほかでも買うことができるので、「このサイトで買い物をすればこういうサービスを得られる」という付加価値が求められます。
クーポンをつけたり、送料無料・当日発送・ツケ払い、コンセプトに基づいたセレクトを行ったり……。付加価値に魅力を感じてもらえるようになると、「同じスニーカーならあの店で買いたい」といった感情を喚起させることができます。
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