エリザベス女王「唯一の訪日」昭和天皇との思い出 昭和天皇もかつて訪英、その絆は脈々と続く

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かつて昭和天皇自身も、皇太子時代の20歳のとき(1921年)に訪英し、女王の祖父ジョージ5世から「立憲君主とは何か」を様々なかたちで学んでいた。

それは半世紀後(1971年)に天皇として訪英した折に、バッキンガム宮殿での晩餐会での「おことば」でも触れられた。

イギリス王室の訪問が最も印象に残る

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さらにその後の日本での記者会見(1979年)でも、皇太子時代の欧州訪問で最も印象に残っていることとして「イギリス王室を訪問したこと」を真っ先にあげ、「キング・ジョージ5世が、ご親切に私に話をした。その題目は、いわゆるイギリスの立憲政治のありかたというものについてであった。その伺ったことが、そのとき以来、ずっと私の頭にあり、つねに立憲君主制の君主はどうなくちゃならないかを終始考えていた」という発言からも明らかであろう。

ジョージ5世から学んだヒロヒトが、今度は孫のリリベットに「立憲君主制の極意」を教授するという姿は、女王の言葉にもあるとおり、孤独な君主自身にしかわからないことであると同時に、戦争で一度は傷ついたにもかかわらず、日英の皇室・王室間の絆が半世紀以上にもわたって脈々と続いていることをも語っていると言えよう。

君塚 直隆 関東学院大学 教授

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きみづか・なおたか

1967年生まれ。上智大学大学院文学研究科史学専攻後期課程修了、博士。『物語 イギリスの歴史』『立憲君主制の現在─日本人は「象徴天皇」を維持できるか』『イギリスの歴史』『悪党たちの大英帝国』『エリザベス女王』『ヨーロッパ近代史』など著書多数。

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