架空投資話で損失、日本初「Q&A投稿サイト」の転落 創業メンバーが社長就任だが、新たな火種も
その事実を明かさずに廣瀬氏は、OKウェイヴの取締役会でレイジングブルへの運用委託に賛成した。このような行為が取締役としての重大な義務違反に当たると調査委員会は認定。報告書公表の3日後、廣瀬氏は社外取締役を辞任した。
なお調査委員会は、レイジングブルの投資話が架空であったことを廣瀬氏が知っていた可能性は低いとみている。
開示を巡って集団訴訟の動きも
新社長の杉浦氏にとって喫緊の課題は資金の手当てだ。「当社はまさに危急存亡の秋にある」と前経営陣が表現していたほど、財務状況と資金繰りは悪化している。杉浦氏も年内に10億円規模の増資が必要と考える。
前経営陣の残した問題の後始末も待ち受ける。
レイジングブルに巨額を預けていたことは、回収困難になってから開示したが、この開示姿勢をめぐっては訴訟リスクも浮上している。具体的には、有価証券報告書などに虚偽記載があったとして、株価の下落分を損害賠償請求される集団訴訟だ。
証券訴訟を専門に扱う山崎・丸の内法律事務所は専用の法律相談窓口を設けた。事務所代表の山崎大樹弁護士は、「多額の投資(運用委託)を決定した時点で臨時報告書などにより開示すべきだった」と指摘する。
新たな火の手も上がっている。音楽などのエンタメ事業を手がけるアップライツ社が舞台だ。2021年12月に子会社を通じて10億円で買収したが、アップライツは自己株の買い戻しで資本関係を解消したと通告してきた。買収後1年も経たずにアップライツは取引先への預け金などで約9億円の損失を出しており、杉浦氏は買収の経緯などを疑問視していた。
アップライツは、預け金の預け先はOKウェイヴが紹介・指定したと主張する。また、OKウェイヴが「反社会的勢力もしくはそれに類すると目される人物」を打ち合わせに帯同してきたため、関係解消に動いたとする。「反社」とは穏やかではないが、その点をアップライツに質問すると「氏名、所属、言動、過去に関係した事案についての情報を基に判断した」と回答した。
一貫してベンチャー界隈で活動してきた杉浦氏は、OKウェイヴへの経営参画は自身の評判を下げることになると周囲から忠告されたと話す。「『反市』(反市場勢力)扱いをされ、杉浦が株を持つベンチャーは今後株式上場できないぞとまで言われた」。実際、現在のOKウェイヴは色眼鏡でみられても仕方がない。再生への道はあまりにも険しい。
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