「住まいの暖かさと健康」の意外と侮れない関係性 断熱性に優れた家のほうが在宅ワークも捗る

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古い住宅の壁の様子。日本では断熱性能が冬に乏しく寒くなる住宅が全体7割を占め、健康上の問題となっている(筆者撮影)
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「住まいと健康」は、住宅の世界で長く重要視されているテーマだ。

代表的なものによく眠れる住まいがあり住宅の設計や提案ではそのことを考慮に入れることが多いが、それはあくまで考慮に入れるにとどまり、よく眠れることでどんな健康上の改善があるのか、具体的な数値によって示される例はほとんどない。

もっとも、仮によく眠れる設計や仕様であっても住まい手が睡眠時間を削る生活をしていたら健康な暮らしをすることはできないが、そうした生活習慣を変えるキッカケとなる情報や注意喚起は、これまで住宅の世界では行われてこなかった。

因果関係を明らかにする動きが見られるように

いずれにせよ、住宅の世界では健康に関する性能について、しっかりと検証をし、数値などの変化を具体的に示す科学的な根拠(エビデンス)なしに「健康住宅」などと訴求されることが多かった。

例えば「冬でも暖かい」というのも住まいに関する性能の1つだ。住宅内が暖かく快適ならば、とくにお年寄りにとってリスクが高いヒートショック対策となるなど、人々が健康な暮らしをするうえで好ましいとされている。

しかし、それが居住者の身体にどう作用して好ましい状況を生み出すのか、ということは詳しく語られてこなかった。何となく健康には良さそうだ、という経験則のようなものがまかり通ってきたのだ。

ただ、ようやく健康な暮らしが実現する因果関係を明らかにする動きが見られるようになってきた。本稿では、科学的な根拠をベースにした新たなサービスを提供する事業者の取り組み事例も含め紹介する。

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