パワーカップルの7割が使う「ペアローン」のワナ 収入合算との違いは?メリットデメリット
実際にペアローンの利用者は多いのだろうか? どういった利用のされ方をしているのだろうか? 気になるので、2つの金融機関に話を聞いてみた。
まず、都市銀行のひとつ三菱UFJ銀行に聞いてみた。同行の特徴は、独自の住宅ローンの金利タイプなどが多様にあることだ。同行の住宅ローン利用者のうち、おおむね2割程度がペアローンで、特に30代での利用が多い印象だという。
さらにネット専用住宅ローンを扱う住信SBIネット銀行にも聞いた。同行の特徴は、チャネルが複数あることだ。住宅金融支援機構との提携ローン【フラット35】、ネット専用住宅ローン、対面型の住宅ローンなどがある。
30代を中心に全体の2割程度がペアローン
まず、【フラット35】ではペアローンは利用できない(この点は後で詳しく説明したい)。【フラット35】のほかの住宅ローン利用者で言えば、ペアローンの利用は2割程度で、そのうち6割程度が30代だという。
両行とも30代を中心に全体の2割程度がペアローンということだが、リクルートの調査結果では全体の3割がペアローンで、両行よりも多い。これは、調査対象が新築マンション購入契約者という要因が考えられる。新築マンションは他の住宅タイプより価格が高くなっているので、ペアローンの利用者が全体水準よりもさらに多かったということだろう。
では、ペアローンを利用する際の条件などはあるのだろうか? 三菱UFJ銀行によると、ペアローンだからという個別の条件は特にないという。ただし基本的に、それぞれが単独でも住宅ローンを借りられる条件を満たすことが必要だ。団体信用生命保険に加入ができることなども条件になる。
2人が住宅ローンを借りる基本的な条件を満たせば、両行ともに、夫婦それぞれが住宅ローンの金利タイプや返済期間を選べる。つまり、2人が同じ金利タイプ・返済期間を選ぶ場合もあれば、それぞれが異なるローンを選ぶ場合もあるわけだ。
各行で提供される優遇金利や付帯できる保険などについても、それぞれのローンで適用されるので、まさしく1つの物件に2本の住宅ローンという構造だ。
なお、住信SBIネット銀行の場合、異なるチャネルでそれぞれがローンを選ぶことだけはできないので、夫がネット専用住宅ローンのローン、妻が対面型住宅ローンという組み合わせはNGだという。一方で、同居する兄弟姉妹もペアローンの対象になるという。
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