銚子電鉄「ぬれ煎餅」「まずい棒」が好調で黒字 物販の月間売り上げが「1000万円」を超える

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
4月29日から運行している銚子電気鉄道の「問題だらけの“もんだいがある”きゃりー電車」(撮影:尾形文繁)
この記事の画像を見る(8枚)

銚子電鉄が6年ぶりに黒字に転じた。2022年6月30日に行われた株式総会での2021年の事業報告で明らかになった。

JR各社や私鉄などほかの鉄道会社の多くは2020年に続き2021年も赤字となっている。コロナでリモートワーク、旅行自粛等の影響を受け、通勤通学客、観光客が激減したことによる。

銚子電鉄でも同様に利用客が減少したが、「ぬれ煎餅」「まずい棒」をはじめとした物販が好調で、今回の黒字化を実現した。営業収益5億2829万円(前年度比10.9%増)のうち、物販部門の収益が4億5560万円(前年度比13.3%増)と大半を占めた。コロナ禍での逆転勝利ならぬ、逆転黒字だ。

逆転黒字を実現したさまざまな対策

同社の不屈とも言える強さの理由はどこにあるのだろうか。さまざまな対策で自転車操業ながら同社の軌道を維持してきた、銚子電気鉄道代表取締役社長の竹本勝紀氏に取材した。

取材当日は快晴で風も心地よい行楽日和。平日だが、社屋のある仲ノ町駅に向かう2両編成の車両は旅客でほぼ満席状態だ。犬吠駅の売店では、人気商品のまずい棒が残り1袋を残すのみと、商売繁盛の様子が見てとれた。

しかしそんな銚子電鉄もコロナ禍では大きな打撃を受けた。竹本氏によると、緊急事態宣言下にあった2020年のとある日の運賃収入は4480円だったという。

「鉄道を動かすための固定費は日に60万円かかりますから、とてもやっていけない。緊急事態の3カ月で5000万円近い赤字となり、倒産の危機に直面しました。その後も客足がなかなか戻らない中、存続のために何でもやりました」(竹本氏)

次ページお家芸の自虐ネタと地元企業と開発した商品で通販を充実
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事