銚子電鉄「ぬれ煎餅」「まずい棒」が好調で黒字 物販の月間売り上げが「1000万円」を超える

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ぬれ煎餅(5枚入り463円)。地元の老舗菓子店の手焼き煎餅をヒントに、製造法を一から学んで商品化。かつては仲ノ町の車庫敷地に工場があり、駅長が工場長を務めていた(撮影:尾形文繁)

しかし1970年代にブームとなった童謡「およげ!たいやきくん」に乗じた、駅売店での鯛焼き販売、地元の名産から着想を得たぬれ煎餅の商品化などで乗り切ってきた。これは「副業で稼ぐ」という同社の経営姿勢の原点とも言える。

犬吠駅の売店ではオリジナルの「ぬれ煎餅」「まずい棒」のほか、地元の産品も販売(撮影:尾形文繁)

ちなみに、鉄道会社が煎餅を焼くというニュースは当時大きな話題となり、販売スタート時は10年近く放映されたテレビ番組の1回目で紹介されて、一気に2億円の売り上げを得たそうだ。

そこへ2004年、事件が発生する。当時の社長が同社の資金を使い込み、債務を負ってしまったのだ。さらに大きな打撃が、不祥事を起こしたことにより生命線の補助金がもらえなくなってしまったことだった。

2011年には東日本大震災と続く原発事故による風評被害で、観光や物販にも大きな影響があった。このとき、会社の資金は残り50万円になったそうだ。

なお、公的支援は2013年から復活しており、10年間の設備費等の3分の2を国、県、市からの公的支援でまかなえることとなっている。

多くの危機を経験しながらなぜ続けてきたのか

上記のように、まずは時代の流れで「地元の足」としての需要が低くなってきている実情がある。それに加え、人災、天災が幾たびも同社の経営を危機に陥れてきた。

繰り返す経営危機を独特の才覚で乗り切り、2021年の業績では黒字に転じた銚子電気鉄道。代表取締役の竹本勝紀氏は顧問税理士の頃から20年近く銚子電鉄とともにあり、さまざまな経営改善策を図ってきた(撮影:尾形文繁)

順調とはほど遠い、銚子電鉄の歴史。それにもかかわらずなぜ続けてきたのか。

竹本氏によると、最終目的は鉄道の存続ではない。地域への恩返しだという。

「確かに地域の利用者は少なくなってきています。でも必要としている人がいる限り続けなければ、という思いでいます。地元の、免許を返上した高齢者には子ども料金で乗ってもらっています。年末年始には、犬吠埼の『日本一早い日の出』を見に、5万人が集まる。バスやタクシーでは代替できません。地域の広告塔、情報発信基地としても役割を果たしていきたい。そのために、日本一のエンタメ鉄道を目指して活路を見いだしたいと考えています」(竹本氏)

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