「海外旅行」緩和でも自由に行けるとは言えぬ事情 ネックだった現地での帰国前PCR検査が免除に

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このなかで最もハードルが低いのは韓国だ。入国後のPCR検査さえ許容できるのであれば、現時点でも観光旅行は可能である。

台湾の中央流行疫情指揮センターは早ければ10月には出入境制限を緩和する見通しを8月26日、明らかにした。また、香港政府が、7人制ラグビー国際大会の「香港セブンズ」や金融イベントが行われる11月初旬にはホテル隔離を撤廃することをめざしているとの報道もある。

こうした厳しい措置を課している国は、東アジア以外には少ない。世界全体を見渡しても、フランスなどのようにワクチン接種歴を問わずに入国できるか、アメリカのように2回の接種証明の提示のみで入国が可となる国がほとんどだ。

日本人の渡航者数が比較的多い国のなかで例外はベトナムだ。2022年9月7日現在、ワクチン接種証明書や陰性証明書は不要で、隔離もない。ただし、ベトナム入国に際して、1万ドル以上の補償額がある海外旅行保険への加入が義務づけられている。そのほか、アプリのインストールと登録を義務づけている国が少なくないので事前に必ず条件を確認するようにしたい。

これらの入国条件についてはHISのサイト「海外旅行人気方面 渡航情報まとめサイト(観光渡航向け)」がわかりやすい。

現地でコロナにかかってしまったら?

「自由に旅行ができるようになった」といっても、それはあくまで旅行中に新型コロナウイルスなどで発熱することがなく、空港のサーモグラフィなどの検査にかからない場合に限られる。

幸い日本国内で無料のPCR検査・抗原検査ができるところは多いので、短期旅行なら、日本出発直前に検査をすることで渡航中の感染リスクを軽減できる。また、コロナに限らないが、現地で発症し、日本に帰国できなくなった場合の宿泊費などの滞在費の負担も不安要素として残る。

費用については海外旅行傷害保険でカバーでき、短期旅行であれば費用も数千円程度で高くはない。クレジットカード付帯の保険でも補償額の条件を満たしていれば可能だが、カード会社から英文の証明書を取り寄せるのに数週間以上かかる場合もあるので、カード付帯の保険で済まそうと考えている人は早めに準備しておいたほうがよい。

なお、最近は利用付帯でないと補償の対象とならないクレジットカードが増える傾向にある。利用付帯とは、目的地への航空券など旅行に関する支払いをそのカードで済ませないと保険の対象にならない(ただし特典航空券でも手数料の支払いをカードで済ませば対象となる)ということだ。

また、クレジットカードの付帯保険の場合、治療費などを当該カードで支払えないケースもある。これらの点についてはカード会社にあらかじめ条件を確認しておきたい。

「コロナ前」とは、国際線の航空券の相場なども大きく変化している。また、過去最高値を更新する燃油サーチャージも頭が痛い問題だ。こうした最新事情については改めてお伝えしたい。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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