人間の仕事を奪う「変革的AI」のおそるべき実力 プロ並みの写真や絵を生成、文章まで書ける

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さらに、グーグルのAIモデル「LaMDA(ラムダ)」もある。グーグルの上級エンジニアだったブレイク・レモインが「意識を獲得した」と主張して解雇され、数カ月前に大きなニュースとなったAIだ。

グーグルはレモインの主張に反論し、多くのAI研究者もレモインの結論に疑問を投げかけている。ただ、レイモンの主張から「意識を獲得した」という部分を取り除き、ラムダをはじめとする最先端の言語モデルは不気味なほど巧みに人間のような文字のやり取りができるようになりつつある、という主張に弱めれば、それに反論しようとする人は少なくなるだろう。

グーグル本社(Laura Morton/The New York Times)

それどころか専門家の多くは、AIはこのところ、さまざまな分野で進化を遂げていると言うはずだ。そこには、言語や論理的思考など、かつては人間のほうが優れていると思われていた分野すら含まれる。

AI研究者が警告する「本当に恐ろしい事態」

オープン・フィランソロフィーの上級アナリストでAIのリスクを研究するアジェヤ・コトラは2年前、「変革的AI」が2036年までに出現する確率は15%だと見積もっていた。変革的AIとは、コトラなどの研究者が定義した用語で、例えばほとんどのホワイトカラーの知識労働者を駆逐できるといったように、経済や社会を大規模に変えられるほど高度なAIを意味する。

だがコトラは最近の投稿で、GPT-3などのシステムが急速に向上していることを理由に、その確率を35%に引き上げた。

「AIシステムは、かわいらしくて役に立たないおもちゃのレベルから、驚くほど短期間で超強力な製品へと進化しうる」。コトラに話を聞くと、こんな言葉が返ってきた。「近いうちにAIで物事が変わっていく可能性を、人々はもっと真剣に受け止めるべきだ。これは、本当に恐ろしい事態につながっていくおそれがある」。

もちろん、AIの進歩は大げさに語られすぎていると懐疑的に見ている人は多い。こうした懐疑論者は、AIは意識を獲得するレベルにはまったく到達しておらず、さまざまな職種で人間を置き換えられるようになるのもかなり先の話だと言うだろう。

GPT-3やラムダのようなモデルは学習データを闇雲に繰り返す「見掛け倒しのオウム」にすぎず、自ら「考える」ことができる正真正銘の汎用人工知能(AGI)の誕生にはまだ何十年もかかる、とする立場だ。

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