結婚10年、妻の暴力で「左肩脱臼」した男の告白 ビビビ婚の時からあった「夫婦の不仲」の予兆

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妻は僕よりも10歳下。20代半ばだった彼女が着ていたのは、就活用のリクルートスーツでした。地味な格好なのに、店にいたどの女性よりも輝いていました。今でも脳内に当時の彼女の姿を再現することができます。

妻も、僕のことをちゃんと好きだったはずです。披露宴の時、友人が「嫁入新聞」なるものを制作、配布しました。僕の「好きなところ」を聞かれ、次のように答えています。

「私のことをいつも第一に気遣ってくれる優しさがいい。あと安心感。彼はいろいろなことをこまめに調べてくれるし、旅行なんかの計画が大好きだから、安心するの。そして歩くことを厭わないところも」

この言葉からは妻の愛情を感じます。と同時に「直して欲しいところ」の質問に、彼女はこう言っています。  

「文句や小言が多い。私の行動にいちいち理由を聞いてきたりもするし、たまに『めんどうくさい』って思う」

これを読んでも当時の僕は、なんの引っ掛かりも抱きませんでした。披露宴の列席者も「おのろけの一種」と流したことでしょう。しかし、現実は残酷です。新婚ラブラブの時期を経て、結婚生活は日常の積み重ねになります。

さらに3人以上の子宝に恵まれる「多子世帯」となってからは、超目まぐるしい日々。その中で、妻は「たまに」を越して、日常的に僕の言動を「めんどうくさい」と捉えるようになります。

ストレスを抱えた彼女と、やがて対立関係に

ストレスを抱えた彼女と僕は、やがて対立するようになります。最も大きなトラブル、夫婦間の「沼」になったのは、次の4つ。借金問題、教育方針の違い、暴力(いわゆるDV)、そしてシカト(コミュニケーション不全)です。

いやはや、10年超の月日はなんとも劇的な変化をもたらしています。これだけのことがあったのだから、離婚を全く考えないわけではありません。それでも、沼地に足を取られながらも、僕はいまだ「なんとかできる」と考えています。

その根底には、妻への愛情があります。確かに救急車事件の強烈アタックからしばらくは、妻が「怖くて仕方ない」時期がありました。それでも、時間の経過と共に、妻との関係修復を望む自分に気がつくのです。「不仲なままじゃイヤ!」となります。

「あらゆる人智の中で結婚に関する知識が一番遅れている」

19世紀のフランスを代表する文豪バルザックが残した言葉です。彼が生きた時代から二つの世紀をまたぎました。21世紀の今は、インターネットで全地球がつながり、宇宙旅行も可能です。

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