結婚10年、妻の暴力で「左肩脱臼」した男の告白 ビビビ婚の時からあった「夫婦の不仲」の予兆

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こんな状況下で故意にウソをつくほど、僕は大物ではない。しかし、最後の質問の答えを間違えた。翌朝、体を確認すると、左右の腕に長さ2、 3センチほどの引っ搔き傷があった。さらに、右ひざには直径2センチ大の擦り傷も。救急車に乗るという非日常の興奮で、左肩以外の痛みまで気が回らなかった。

名前や職業を答えているうちに、運転席の救急隊員が搬送先を見つけた。

「お待たせしました。これから大協病院(仮名)に行きます」

初めて聞く病院名だったので、住所を尋ねた。ありがたいことに、さほど遠方ではない。午後11時過ぎ、救急車は自宅前を出発した。「ピーポー、ピーポー」。あのおなじみのサイレンは、車内にいてもよく聞こえた。そこに「ピッ、ピッ、ピッ」の音が重なる。

激高した妻が「ケーサツ呼ぶ!」と叫ぶ

走り始めてしばらくすると、僕は冷静さを取り戻してきた。そして、自問を始めた。

「どうして、こんなことになってしまったのか」

僕はネット媒体を中心に執筆活動をするジャーナリストだ。この日は朝から神奈川県小田原市にある企業の取材に出かけた。帰宅する午後9時半までは、よくある取材日の一日だった。しかし、リビングに置かれたテレビ台をめぐり、夫婦喧嘩が勃発。悪いことに、単なる口論では収まらなかった。

大型テレビを導入するかどうかは、妻・美和(仮名)と久しく話し合ってきた。きちんとふたりで結論を出す前に、妻が勝手にテレビとテレビ台を購入し、先行してテレビ台が届いた。強行突破に出た妻を問いただすと、こじれ始める。

激高した妻が「ケーサツ呼ぶ!」と、ガラケーで110番通報を始めた。もちろん、警察に来てもらうような暴力行為は起きていない。「おかしいでしょ、やめなよ」。こう言いながら伸ばした僕の左手を、彼女は力任せに自分の手で弾いた。妻は高校時代、バレーボール部のエース。

「ボコッ」

鈍い音を立てて、僕の左肩が脱臼した。その場にもんどり打って倒れる。

「腕が、腕が」。うめく僕を見て、妻はつながった警察に救急車の出動を頼んだ。しばらくすると、男性警察官ふたりが先着する。彼女と玄関で迎えると、「一緒にいないほうがいいので、それぞれ話を聞いていきましょうか」と引き離された。

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