結婚10年、妻の暴力で「左肩脱臼」した男の告白 ビビビ婚の時からあった「夫婦の不仲」の予兆

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彼らは僕が妻に暴力を振るった前提で、我が家に急行していた。そのため、「奥さんに手を出してない?」と繰り返し聞いてきた。むしろ、僕が被害者であることを伝えると、戸惑うぐらいだ。救急隊員が到着すると、僕の治療を優先するため事情聴取を一度、打ち切った。そして、僕は救急車に運び込まれた。

「左に曲がります。ご注意ください」

進行方向を他の車両や歩行者などに伝えるアナウンスが流れる。車の傾きを感じつつ、自分の結婚生活に思いをはせた。

2011年6月に婚姻届を提出してから結婚10年目。もちろん、政略結婚だとか許嫁で仕方なくではない。お互いに惹かれ合っての恋愛結婚だ。神前、人前で生涯の愛を誓い合った。それなのに、だ。

赤の他人が紙切れ一枚で、共同生活を始めている。それが結婚生活だとは分かっている。大小のすれ違い、摩擦、衝突が起きるのは仕方がない。それにしても、だ。

「犬も食わない」夫婦喧嘩の結果、救急車で病院とは――。

結婚式は「人生最良の日」とよく言われる。僕の場合は、その結婚が「人生最悪の日」も運んできた。ドラマだと主人公の男性は、涙を流す場面だろう。僕は絶望が深すぎたのか、一滴の涙も出なかった。

読者の皆様、ごめんなさい。いきなり、衝撃的な出来事を記述して驚かせてしまいましたね。謝ります。

この「救急車事件」だけに焦点を当てると、なんとも異常で残念な結婚生活になります。しかし、ごくごく普通で穏やかな時期もあったのです。

ここで、僕ら富岡夫婦の歩みを簡単に紹介します(名前は全て仮名)。

2人はいわゆる「ビビビ婚」

2010年 夏 東京・赤坂の合コンで知り合う。僕の猛アタックで8月から交際スタート
2011年 夏 グアム旅行、ホテルでのプロポーズを経て入籍
    同年冬 挙式・披露宴、新婚旅行は海外リゾート地へ
2012年 秋 長男・悠馬誕生
2012年 12月 7700万円の住宅ローンを組み、現自宅に引っ越す
2014年 夏 長女・美希誕生
2016年 夏 次女・美穂誕生
2019年 5月 妻が借金800万円を作っていたことが発覚
2020年 9月 救急車事件勃発

ここで少し、昔話をさせてください。僕と妻との出会いについてです。

合コン会場は、赤坂の中華料理店でした。僕はそこで初めて彼女を見た瞬間、全身に電気が走りました。その昔、歌手の松田聖子さんが残した名言があります。結婚相手となった歯科医と初めて会った瞬間、「ビビビッときた」。スポーツ紙は、「『ビビビ』婚」と見出しにしたものです。僕も聖子ちゃんと同じ瞬間を迎えました。

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