稲盛氏を中国の超大物企業家が尊敬する深い理由 ファーウェイ、アリババ、バイトダンス創業者も

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中国の大物企業家からも尊敬を集めた稲盛氏(写真:アフロ)

京セラと第二電電(現KDDI)を創業し、経営破綻した日本航空(JAL)の再建を主導した稲盛和夫氏の死去は中国でも速報された。

同氏が1983年に始めた経営塾「盛和塾」は日本国内では2019年末で解散したが、中国での活動は継続していた。

盛和塾は2019年時点で世界に104塾(国内56、海外48)、1万5000人の塾生がいたが、うち37塾、7000人が中国で学んでおり、主宰者の稲盛氏をもってしても簡単に畳めなかったのだ。

実はアリババグループのジャック・マー氏(57)やファーウェイの任正非氏(77)など、中国の経営史に残る大物起業家も、稲盛氏の薫陶を受けている。

ファーウェイ創業者も信奉

稲盛氏の信奉者として真っ先に名前があがる中国人起業家が、通信機器メーカー・ファーウェイを創業した任CEOだ。同社幹部によると、任CEOは数年前まで来日するたびに稲盛氏を訪ねていた。

稲盛氏と親交があり、稲盛フィロソフィーの研究で知られる王育琨氏は、自身のブログで、任CEOから2014年に「王先生は稲盛和夫を根本的に理解していない」と指摘されたと明かしている。

任CEOは「京セラはファインセラミックによって新材料革命を起こした。KDDIの創業で通信業とインターネットの発展も推進した。数十年かかる進化を1日に縮めたような功績がある」と熱弁を振るったという。

当時、中国の実業界では空前の稲盛ブームが起きていた。稲盛氏は京セラ、KDDIと2つの世界的企業を生み出したただけでなく、2010年に経営破綻したJALの会長に就任し、3年足らずで再建・再上場を果たした。

任CEOは、「JALの会長を無報酬で引き受けた」「中国人経営者が従業員に稲盛氏の哲学を学ばせ、積極性を引き出している」といった稲盛氏の精神的なストーリーばかりが強調され、ビジネスの成果が注目されないことを不満に思っていたようだ。

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