大倉山のイタリアン、コロナ禍2年半を凌いだ工夫 早々に2号店閉め、新事業への展開で売り上げ1.5倍

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大倉山駅にあるイタリアン「トラットリア ピッツェリア ピレウス」
大倉山駅から徒歩数分のイタリアン「トラットリア ピッツェリア ピレウス」(筆者撮影)
新型コロナウイルスが流行し始めてはや2年半。一時は落ち着きを取り戻したかと思ったが、現在は第7波が猛威を奮っており、先が見えない状況だ。コロナ禍によって多大なる打撃を被った飲食店。今、彼らはどうしているのか。さまざまな飲食店のコロナ禍の過ごし方と今をたどる連載第4回。今回は横浜市港北区の大倉山駅(東急東横線)から徒歩数分のイタリアン「トラットリア ピッツェリア ピレウス」のオーナーシェフの國安徹平氏に話を聞いた。

「コロナが流行り始めてからすぐ、世界の感染症の歴史を調べると収束するまで最低3〜5年はかかると知り、わりと早めに対策を始めました。同業者からも、『手を打つのが早かったね』と言われています」

國安氏はそう語る。

2020年6月の段階で2号店を閉店

ピレウスは2010年に本店をオープンさせ、2016年には日吉に2号店もオープンさせていたが、コロナが流行りだした2020年の6月に2号店を閉店させて、できるだけ打撃を食い止めることにした。

「2号店のほうは本店より狭く、ソーシャルディスタンスを取ることが難しかったんです。2号店の従業員の方々には申し訳なかったのですが、アルバイトには辞めていただき、一部の従業員を本店に異動させました。従来だと2号店を含めると(月の)売り上げが700万円近くいっていたのですが、2020年の4月は2号店のほうが完全にゼロになってしまって。2店舗含めると150万円くらいまで落ちていました」

ピレウスは地元の人たちが気軽にランチ会などを行えるような地元密着型の店で、客層は主婦やファミリー層が多かったという。2号店を閉めると客が8割〜9割ほど戻ってきた。

ピレウスはマニアックな料理というよりも、お客様に寄り添った料理やサービスを心がけているという。そのため、根強いユーザーによって、割とすぐに立ち直せたのではないかと國安氏は推測している。緊急事態宣言のときは店を閉め、まん防の際は時短営業を行っていた。

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