大倉山のイタリアン、コロナ禍2年半を凌いだ工夫 早々に2号店閉め、新事業への展開で売り上げ1.5倍

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大倉山のイタリアン「トラットリア ピッツェリア ピレウス」オーナーシェフの國安徹平氏
オーナーシェフの國安徹平氏(筆者撮影)

「うちは居酒屋と違ってレストランという業態をとっているので、飲酒をメインとする居酒屋と比べると影響は少ないほうだったと思います。でも、やはり2号店を閉めるときは借り入れをおこなったりいわゆるゼロゼロ融資も受けたりして、ある程度余裕をもたせていました。協力金が入るのもすごく遅かったです。なので、この先のことを考えて、政府系の政策金融金庫で大きめの借り入れをしていました」

2021年はアルコールの提供が禁止されていた時期もある。イタリアンとなるとやはりワインを飲みたくなるが、ピレウスでは完全にノンアルコールで乗り切った。しかし、アルコールのない力は大きく、売り上げは落ちてしまっていたという。

国の制度をうまく利用して新しい事業へ

「対策の1つとしてクラウドファンディングも行いました。100万円を目標にしていたのですが、常連さんたちのおかげで108万円も集まりました。また、2号店の売却費用などもあったので、少しずつキャッシュも楽になっていったのが2020年の終わり頃です。

やはり、2号店を早めに閉めたのが大きな痛手を追わずに済んだのだと思います。あと、国の事業再構築補助金という制度も利用しました。僕らとしては非常にありがたい制度で、国が4分の3くらい補助してくれていて、例えば1000万円だとしたら750万円を国が補助してくれる。だから自己投資は40万〜50万円で済みます。新しい事業に後押ししてくれている部分があります。

この制度を知らない同業者の方も多かったのではないかと思います。もともとぼくはこの制度をネットで知っていたのですが、信金(信用金庫)さんから話を聞く人もいたのではないかと。でもこの制度を利用する際、資料を提出するのに信金さんのバックアップがなければダメとか税理士さんなど士業の人の認定がないとダメだったりします。

この先どうしようかなと思っていたとき、信金さんからこんな制度がありますよと言われて、元々知っていたので『じゃあ一緒にやっていきましょう』と。実質の持ち出しが4分の1で済むので。例えば飲食業以外でも、美容室の人がネット通販に力を入れようとすると通信販売と美容室という違うジャンルになるので補助金を出してもらうこともできるようです」

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