平成の流行「ギャルミラー」が令和でバズる理由 LOVEBOATのミラーにふたたび注目が集まる
レオパード柄や時代によってミラーのロゴのフォントも変わったりもしていたが、いちばん人気のカラーは黒地にモノクロタイプのシンプルなミラーだったのも興味深い。
またミラーだけではなく、ショッパー(買い物袋)に関しても、LOVE BOATのデザインには余計な「情報」がない。単純に当時ミラーがヒットしたというのもあるが、シンプルな『LOVE BOAT』というロゴのみのデザインが、逆にほかのギャルブランドと差別化されて、さらなるヒットと、継続的な人気につながっていたのではないだろうか。
雑誌の口コミで人気に火が付いた
一方でLOVE BOATのミラーの人気に火が付いたのは、SNSがまだ存在せず、雑誌の情報が中心だった時代だったからこそかもしれない。SNSの拡散力はすさまじいが、一過性の流行で終わるパターンも多い。それに比べて、雑誌時代の口コミの拡散は、SNSよりもジワジワと広がっていくため、結果的に流行も長続きしていたように思える。この要素も含めて、LOVE BOATのミラーは平成の記憶に残るアイテムにまで上り詰めたのだろう。
まさに「リバイバルブーム」といえるほど、この2〜3年はギャルブランド以外にも『SUPER LOVERS(スーパーラヴァーズ)』など1990年代後半、2000年代始めに人気だったブランドのリバイバル商品が数多く出ている。
20年周期で繰り返されるファッションの「流行回帰」といえばそれまでだが、当初の「リバイバルブーム」はファッション志向というよりも、主にSNSでバズらせる傾向が強いように感じた。
2021年からの若者を中心とした古着ブームや、今年のトレンドの「Y2Kファッション」といった2000年頃に流行したファッションはたしかに注目されているが、かつてのブランドの「リバイバルアイテム」を身につけた若者は、それほど多くは街で見かけなかったように思う。SNSでのはやりと、実際に街中で見かける光景とのギャップを、筆者はところどころで感じていたのだ。
だが、復刻したLOVE BOATのミラーを手にしたときに、SNSと現実とのズレが少し埋まったように思えた。
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