「RZ」レクサス初のEV専用車に乗ってわかった実力 エンジン車やHVでは到達不能な走りの可能性を見た

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レクサスRZ(プロトタイプ)
リアビューのデザインも独特だ(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

乗り心地も快適だ。bZ4Xはここで煮詰めが足りないと感じさせたが、RZは剛性の高いボディに、伸び側減衰力を走行状況に応じて切り替える周波数感応式FRDショックアブソーバーを組み合わせることで、しっとりとした乗り味を獲得している。これまたレクサス車への期待に十分応える仕上がりだ。

前後の電気モーターの合計で最高出力は230kW(313PS)に達するが、いきなり蹴飛ばされるような加速が始まって力強さを誇示したり、あるいはアクセルを戻した途端につんのめるように減速Gが立ち上がったりといったことはなく、加減速はあくまでドライバーの意図したとおりとなる。扱いやすく、また長距離でも疲れは少ないに違いない。

操縦性も同じく、非常に素直。正直、DIRECT4はもっとグイグイ曲がるような挙動のためかと思っていたが、実際にはフットワークはリニアリティに富む。リアモーターの出力が高くないので、できることに限度があったのも事実だろうが、結果として走りは心地よい仕上がりだ。

電気制御のステアリングに感じた快適性

ただし、それだけでは物足りないという人も居るかもしれない。そこでレクサスが用意する予定なのが、ステア バイ ワイヤ。ステアリングホイールは操縦桿のように上下をカットした形状とされているだけでなく、前輪との機械的に接続されず、操作は電気信号に置き換えられ制御される。操舵角は左右150°で持ち替えは不要である。

こちらでまず驚かされたのは、実は快適性のほうだった。路面の荒れ、うねりなどがほぼ遮断されて、操舵感がとても上質なのだ。しかも、同種のシステムである日産スカイラインのDAS(ダイレクト アダプティブ ステアリング)のように路面やタイヤからの情報伝達が遮断されてしまうわけではなく、必要なインフォメーションは掌に伝わる。むしろ余計な雑味がない分、クルマの対話性も上のように思われた。

次ページステア バイ ワイヤの操作性は終始自然
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