「何としても主張を通したい時」に超使える考え方 まずは仲間を4つの層に分けることから始める

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正論が世の中に認められるには、一心同体で動いてくれる「コア層」を作ることが大事です(写真:Kostiantyn Postumitenko/PIXTA)
人は誰しも会社や社会に対して、「こうあるべき」「こうしたほうがよくなるはず」という思い=正論を持っていることでしょう。しかし、そうした思いを会社や上司に伝えても、得てして相手に煙たがられたり、無視されたりしがちです。結局、主張するのをあきらめてしまう人が多いのではないでしょうか。
「そこで引き下がってはいけません」と言うのは、京都大学大学院教授の藤井聡氏です。同氏はこれまで大阪都構想への反対や積極財政への転換など、自身が正しいと思うこと=正論を数々論じてきました。
はじめは見向きもされなかったこれらの主張は、次第に共感を呼び、最後は多くの人の心をつかみました。どうすれば、藤井氏のように人の心をつかめるのか。同氏の新刊『人を動かす「正論」の伝え方』をもとに、ビジネス社会で使える正論の伝え方、通し方について3回にわたり解説します(第3回/第1回第2回)。

少数派から多数派に変わる瞬間

社会学で「限界質量」という言葉があります。もともとは物理学の言葉で、ある種の質量が一定の量を超えると質的な変化をする、その際のギリギリの質量のことです。「閾値」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。ある変化を起こさせる最小の量という意味です。

正論が世の中に認められるかどうかも、この限界質量=閾値が関係しています。それまでは多くの人に否定されていたり、無視されていたりする考え方も、それに賛同する人たちがある一定の人数を超えると、それが正論として、一気に世の中に広がり、スタンダードな世論になります。

マーケティングでは、宣伝広告やキャンペーンなどを大々的に行って商品の認知度をアップする戦略がとられます。利用者が一定の閾値を超えることで、一気にスタンダード商品として、シェアを拡大することがあります。

私が正論を正論として認めてもらう活動の中で、意識しているのがこの限界質量という閾値なのです。とにかく、それを超えることを目指しているわけです。

マスメディアを活用して、一気にその数を達成することも可能でしょうが、いきなりそんな「飛び道具」を使える人は限られています。そこで、地道ではありますが、1人ひとりに自分の意見を聞いてもらい、少しずつ賛同者を増やしていくのです。

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