「頭いい子が育つ家庭」と「ダメな家庭」の決定的差 「なぜなのか」を自力で考えさせて納得させる

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「こうしてはいけない」と教え込むのは簡単なことですが、実はこれは「相手に考えてもらう」という余地を残さない、雑なコミュニケーションになってしまっているのです。

必要なのは、「なぜなのか」ということを相手に考えてもらい、かつ納得してもらうことです。これが抜けたコミュニケーションを取り続けると、子どもは学ぶ機会がないままで大人になってしまうのです。

そして、「ご飯を残しちゃいけないのは、作ってくれた人に対する感謝が必要だからだ」「作物を作ってくれた農家さんや料理をしてくれたお母さんの気持ちも考えなきゃ」と考えるようになると、「じゃあ好き嫌いもいけないことだな」「いただきますとごちそうさまも大事だな」と、次の学びを得ることができるようになっていきます。

下流の情報から上流へと進む手伝いをする

勉強とは、川のようなものです。今見ているのは下流の情報ですが、元をたどっていけば上流があります。

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今回の例で言えば「ご飯を残しちゃいけない」は下流で、なぜそうなのかを考えていくと「作ってくれた人への感謝」という上流にたどりつくことができるわけです。この、下流から上流へ進む手伝いをするのが、「コミュニケーション」なのです。

そして、その上流を理解すれば、さまざまな下流の情報を理解しやすくなります。「ご飯だけじゃなくて、おもちゃも作った人がいるはずだ」「先生にも感謝しなくちゃ」など、違う下流の情報に自分からたどりつくことができるようになっていくのです。

頭のいい人・勉強ができる人というのは、この「上流と下流」の行き来ができる人のことです。数学でも、ただ公式を丸暗記していては意味がなくて、「なぜこの公式は成立するのか」という部分をしっかり理解している人のほうが、その公式をいろんなところに応用できるようになります。小さいころのコミュニケーションというのは、こういう頭のよさを作ってくれる要素になっていると言えるのです。

いかがでしょうか。親御さんはぜひ、「なぜ」を意識して、「上流と下流」の行き来ができるお子さんに育つお手伝いをしてあげてください!

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