大塚家具、父娘が「解任」し合う激しい応酬 父・会長と娘・社長、決戦は株主総会へ

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今や”旬”は、ニトリやイケアだ。営業赤字に陥る大塚家具に挽回策はあるか

資産管理会社のききょう企画では、一足早く“前哨戦”もあった。同社では14年1月、勝久氏の妻の大塚千代子氏と、長男である大塚勝之氏が役員を解かれている。ききょう企画に残ったのは、勝久氏の5人の子のうち、長女の久美子氏のほか、久美子氏の弟の大塚雅之氏、妹の大塚舞子氏、佐野(旧姓大塚)智子氏。いわば「父・母・長男」vs.「長女を含む4人の兄弟姉妹」の構図である。

その年3月に開かれた前回の株主総会では、大勢の株主らを前に、久美子氏と母が口論し合う場面も目撃されたという。7月に久美子氏が社長を解任される前、すでにあちこちで伏線はあったのだ。

娘につくか、父につくか。社内も真っ二つに割れる。

社内も会長派と社長派で二分

久美子氏側の取締役候補者では、2人だった社外取締役が10人中6人へ一気に増えた。かねて勝久氏のワンマン体制を批判してきた久美子氏の姿勢が反映されている。ある社外取締役候補は「どちらが正義か判断した。久美子氏の戦略のほうが企業価値を上げるものだ」と鼻息が荒い。

だが一方、勝久氏側の取締役候補者にも、営業推進部長や総務部長、財務部長など、会社の要となっている現役幹部が並ぶ。敗れた側が会社に残る選択肢は取りづらい。

時代の変化に取り残され、前14年12月期に4年ぶりの営業赤字に転落した大塚家具。3月27日の株主総会で株主はどう判断するか。「最終決戦」が近づいている。

(撮影:尾形文繁)

「週刊東洋経済」2015年2月28日号<23日発売>「核心リポート01」を転載)

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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